第三十一章 映見を裕太が撮影する2(秋生夫妻編)-4
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「あふぅ・・・んぐぅ・・んふぅ・・・」
絡みつく夫の舌が心地良く、私はウットリと息を漏らしていた。
キスが、美味しい。
凄く、美味しい。
裕君の味がする。
大好き、裕君。
秋生さんから後ろから挿入されたまま、私は裕君とのキスを心から楽しんでいた。
だって、嬉しかったから。
いくら思い出のためとはいえ、セックスする姿を夫に撮影されることが恥ずかしくて泣きそうになっていたから。
こうして熱い口づけをしてくれる裕君が、堪らなく愛おしくなる。
「愛しているよ、映見・・・」
「私も愛してる、裕君・・・」
唇を放すと同時に投げられた愛の囁きに、私も同じ思いを返した。
見つめ合ったまま裕君はカメラをとり、ニッコリと笑った。
「じゃあ、撮影を続けるよ・・・」
夫の顔がカメラに隠れていく。
私はコクリとうなずいた。
涙は滲んでいるけど、泣き顔ではなくなったと思う。