森の部屋へ-12
「 何を 買うんですか？ 」
麻衣がコーヒーを口にする森に聞くと
「 麻衣の 仕事着 」
カップを持ったまま答え
「 仕事着？ 此処では 裸ですよね？ 」
麻衣が手に持った カップを置き 森を見つめると
「 スーツを4着な 2着は自宅で2着は此処に置く 」
麻衣を見つめる目に 強い光を浮かばせて言い
麻衣が怪訝な顔で 見ると
「 来月から 俺の出張に同行して貰うから 」
分厚い唇が 嫌らしく歪み 笑い顔で言い
「 先週 川田には 言って有る 」
吐き捨てる様に言うと 珈琲を口に運んで目を細めていた
森の言葉を聞き おぞましさは 首筋に鳥肌を立て
来月からは 土曜日曜以外も あの唇が 私の肌を
俯いて 両手を握り絞めて耐えていた
森の後ろを付いて歩くと 昨日食料を買い込んだ百貨店へと入って
エスカレーターに乗り 5階で降りると 真っ直ぐに歩いて
女性用の スーツ売り場で 立ち止まって
「 選べ 」
ぶっきら棒に 言い 麻衣の背中を押す
開店したばかりの スーツ売り場に 客の姿は無く
直ぐに麻衣の傍に 店員が近寄り 麻衣はスーツを選び
試着を初めて 1着を選ぶと 森が近寄って来て
「 2着のスカートは 膝上20センチで 」
「 後 2着のウエストを少し絞って欲しい 」
店員が 麻衣の着たスーツに待ち針を指して ウエストを絞り
Dカップの胸が強調される
スカートの丈を短くした姿を見た森が
「 椅子に座って 」
麻衣を座らせ 足元に視線を這わせ
「 後5センチ 上げてくれ 」
店員に言い スカートが短く成った姿を見て
「 少し足を開いて見ろ 」
麻衣が足を開くと
「 それで いっぱいか？ 」
やや太い 太腿がスカートの中に有り 足は大きく開けなかった
「 一回り 大きなスカートを この長さで1枚 」
森が店員に言うと 嬉しそうに店員は持って来て 麻衣に履かせて
待ち針を当てて行く
スーツを選び終わると靴売り場に連れて行かれて
黒いピンヒールを選んで 買うと
「 帰る 」
相変わらずの ぶっきら棒な言葉を出して マンションへ戻った
クローゼットに 買って来たブラウスを仕舞い
靴箱へ靴を仕舞っていると 後ろから
「 出かけるぞ 」
声を掛けて 森が玄関を出て行く後ろを 麻衣も慌てて後を追った
エレベーターが地下に付き 森が黒い大型のセダンのドアを開け
麻衣も助手席に乗ると 車は走り出して
下町の繁華街のコインパーキングへ 車を止めて
歩き始めた