第四章 ゆうきをだして-1
いつのまにか、「あめ」は、あがっていました。
すると、ヒロシくんたちが、はいってきました。
『なんだ、サトシじゃん。
おっ、うまそう・・・』
そういうが、はやいか、サトシ君からクッキーとジュースを、とりあげ、たべはじめました。
サトシ君は、うつむいて、なにもいえません。
ヒロシくんに、にらまれると、どういうわけか、いいかえせないのです。
『ちょっとぉ、なに、すんのよー・・・』
「おんなのこ」が「もんく」をいうと、ヒロシくんたちは、はやしたてながら、でていきました。
『へーんだ、おまえら、ふーふ、かよ』
そして、まだコンクリートのやまのそとから、「さんにん」で、はやしたてています。
『おんなのこ」はとびだしていくと、ぎゃくに、つかまってしまいました。
『いやー、たすけてー、おにいちゃんっ・・・』
ずっと、したをむいていた、サトシ君は、そのこえをきくと、かってに、からだがうごいて、とびだしていきました。
『やめろーっ・・・』
サトシ君が、たいあたりすると、ヒロシくんは、ころんで、なきだしてしまいました。
いつも、おとなしいサトシ君の、すごく「こわいかお」をみて、ほかのふたりも、にげてしまいました。
ヒロシ君もなきながら、そのあとを、おいかけていきました。