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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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妻を他人に (7) ただいま-2

 シュポシュポシュポシュポ、ジュポジュポジュポジュポ、ジュポッジュポッジュポッジュポッジュポッ――。
「ぁああぁあ! んんくぅぅぅう……! んんんんんんんっぁぁぁあっぁぁああ……! ぁあああぁっぁああふぅ……っ! ぁあああぁああああああああ……!」

 ゆきの切なく鋭い嬌声が家中に響き渡り、静寂が訪れた。

 ゆきが、イッた。
 彼女に一度たりともオーガズムを与えたことのない私にも、はっきりとわかる。
 ものの数分で、妻は他人にイかされた――。

 妻への怒りと失望がふつふつと沸き起こる。理不尽なのはわかっている。夫としてあまりに惨めな現実を直視できず、妻への怒りに転嫁しているだけ。しかし、私とゆきの十五年間の行為はいったいなんだったのか。漆黒の谷へ叩き落された私と、快楽の頂へ上り詰めたゆき。わずか扉一枚の隔たりが、私たち夫婦にとっては埋めがたい溝、乗り越えがたい壁に感じられる。

 しんと静まり返る我が家。

 いつもはにかんだ笑みを浮かべ身を寄せ甘えてくるゆきの表情が頭に浮かんだ。
 夫婦の時間、喘ぎ声というにはあまりに控えめな吐息を漏らしていたゆき。目尻に皺を寄せ可愛らしく微笑むその唇にキスしようとした瞬間、清楚な妻の顔面が歪む。口の端からよだれを垂らし、いやらしい喘ぎ声を発しながらゆきは私を突き飛ばす。

「見ないで……!」
「早くどっか行って……!」

 何が起きたか分からぬまま這いつくばりやっとのことで顔を上げると、ゆきはZとキスしながら股を大きく広げ彼の手淫で絶頂を迎えようとしていた。男と舌を絡め合い陰部に指を突っ込まれ高速で抜き挿しされ上の口からも下の口からも臭い液体をグチョグチョに撒き散らしよがり狂う妻。

 現実と妄想の狭間で、私は射精した。

  *

 ドロドロの下着の中で、硬さを失わぬペニスが脈打っている。
 顔面蒼白で妄想世界にしばし入り込んでいた私は、ゆきの喘ぎ声で現実に引き戻された。

「…………んんん、んんっく…………!」

 今度は何だ。

「っ…………んぁぁ、ぁぁぁ………ふぅぅう……っ…………!」

 ゆったりと深い愉悦。腹の底から絞り出るような、ゆきの女の声。

「……んっ! んんっ……ぁぁぁあぁぁああああああぁあぁあああぁああ…………っ!」

 ゆきは今、何をされている――?
 嫌な予感に全身が総毛立った次の瞬間、ゆきの喘ぎ声の「質」が、変わった。

「………………んふぅ…………っ………………んふぅ…………っ………………んふぅ…………っ………………んふぅ…………っ………………」

 深い吐息が、一定のリズムを刻みはじめる。
 続けて、ソファの軋む音。

 ギシ――――――、ギシ――――――、ギシ――――――、ギシ――――――。
「………………ん、んふぅ…………っ………………ん、んふぅ…………っ………………ん、んふぅ…………っ………………ん、んふぅ…………っ………………」

 ああ――。

 ギシ――――、ギシ――――、ギシ――――、ギシ――――、ギシ――――、ギシ――――、ギシ――――、ギシ――――。
「…………んっんふぅっ…………んっんふぅっ…………んっんふぅっ…………んっんふぅっ…………んっんふぅっ…………んっんふぅっ…………んっんふぅっ…………んっんふぅっ」

 ああ――。
 ゆきが、挿れられた――。
 私の愛する妻が、挿れられている――。

 猛烈な後悔。焦燥感。
 だめだ、やめろ。
 二人を引き剥がしたい衝動に駆られドアノブに手をかけたとき、扉の向こうのリズムがもう一段階スピードを上げた。

 ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ、ギシ――。

「ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っぁん……! んふぅ…………っ ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っ…………ぁん……! んふぅ…………っぁん……! んふぅ…………っ」

 気がつくと私は、猛烈な勢いでペニスをしごいていた。
 床に這いつくばり涙を流しながらマスターベーションに耽る私の脳裏に、ゆきの言葉が蘇る。

「見ないで……」

 心の底から、私を邪魔だと思っている顔だった。
 私に、視界から消えてほしいという意思を感じる表情だった。

「早く……どっか行って…………」

 私はまた射精した。
 ゆきとZのセックスの音は、まだ止む気配がない。

  *


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