第二十五章 欲情-4
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(お義父・・・さ・・ん)
恵も欲情していた。
「夕方までのデート」は、恵の心を日増しに大胆に変えていった。
何年も押さえていた女としての欲望が天使を美しく燃え上がらせ、禁断の甘い蜜を味あわせていく。
今も、あの時のペニスの残像が鮮明に脳裏に焼きついている。
何度も口にした言葉が恵の心を煽る。
(あぁ・・・ほ、欲し・・い・・・
お義父・・さん・・・)
唇が濡れる。
高価なブランドの口紅が自分を彩ってくれ、心までが妖しく燃え上がる。
微かに口を開き、白い歯の隙間からピンク色の小さな舌を見え隠れさせていた。
無意識に男を欲しがっている。
犯されたかった。
義父の熱くたぎるもので貫いて欲しい。
恵の頭の中で、あの時の快感が蘇る。
『あっ・・はっ・・はぁ・・・
んん・・い、いいっ・・・』
(あぁ・・何?この、感・・覚・・・)
セックスの中で恵は夫の武を義父に重ねた途端、今まで知らなかった快感を得たのだ。
何度も拒否しようとしたが無駄であった。
『あんっあんっ・・・いやっ・・・
ああぁ・・だ、だめぇ・・・』
やがて抵抗をあきらめた恵は抑え込んでいた義父への想いを解き放ち、官能の海に飛び込んでいく。
『ああっ・・い、いいっ・・・
すごいっ・・・凄いぃ・・・』
(お義父さぁ・・ん・・・)
義父とすり替えた夫の顔を引き寄せ、愛おしい唇に自分から重ねていく。
舌を差し出し義父の口の中を激しく蹂躙するのだ。
『ああっ・・い、いいっ・・・
いいっ・・もっと、もっとぉ・・・』
男の首を抱えるようにして声を上げている。
ケダモノになった自分が動いていた。
自分から腰を使い、快感を求める。
『いくっ・・・い、いくぅ・・・
あっあっあっ・・ああぁっー・・・』
初めて知った絶頂は明らかに義父を意識したものだ。
(ああ・・い、いぃ・・お義父さん・・・
お、お義父・・・さ・・ん・・・)
義父と思い込んでいる夫の背中を、きつく抱きしめた快感は今も覚えている。