気付いた想い-4
次の日、あたしは千鶴からスタメンに指名される。
あたしは千鶴に自分でいいのかと再び尋ねる。
『彩夏。くどいって。いい?あたしがスタメンって言ったらあなたはスタメンなの。うちの部のエースはあなたなのよ。だから、ね』 あたしは千鶴に導かれるまま足を進める。もう、悩む必要は無いから。もう、立ち止まる必要は無いから。
あたしは全力で試合に望み。三つ目の試合で完璧に負けた。圧倒的な戦力の差だった。
自分達の力の不足が悔しかったけれど、今あるものはすべて出せたのだから悔いは無い。
すべてが終わりあたしたちはバスに乗り込む。バスは来た道と同じ道を通って進んでいた。
あたしは来た時と同じように何を見てもたいして変わらない景色を見る。ため息はつかない。
あたしはいつもの場所。彼女がいる場所へと帰っていく。季節は移り変わる。