第五章 二人きりのコーヒータイム3-1
【啓介と同居 二ヶ月目】
【20●1年2月15日 AM10:50】
ダイニングで。
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2杯目のコーヒーは恵には苦く感じられ、美味しくなかった。
義父の視線がチクチクと刺さってくる。
無数の針で突つかれているような苛立ちが心を包む。
同居して2ヶ月以上経つのであるが、益々この気持ちはひどくなってくる。
特に二人きりでいる時、義父に視線で犯されているような気になるのだ。
下卑たポルノ小説まがいのシチュエーションに鳥肌がたってしまう。
午前十時過ぎの時間。
主婦にとって一番ホッとし、くつろげる時間であるのに恵は憂鬱であった。
嫌なら止めれば良いものを、意地になってお茶に誘うのであるが。
そろそろ又、パートでも見つけて出かけるようにしようかとさえ思うのであった。