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迷走
【兄妹相姦 官能小説】

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迷走〜承〜-3

「加奈、てめぇ…」
俺はクリーンヒットされた腰をさすった。
「宿題教えてよぉ」
加奈は残酷にもクリーンヒットされた腰をポカポカと叩きながら、懇願する。人に物を頼む態度ではなかった。
「あいにくチンパンジーに勉強教えるほど俺は人間出来ていないんでな」
「誰がチンパンジーよ!」
そう言って加奈はプクッと頬を膨らませた。
このチンパンジーというのは決して冗談ではない、それくらい加奈に勉強を教えるというのは難儀なことだった。
「わかった、わかった。教えるから出てってくれ」
実の妹とはいえ、この年で風呂場に一緒にいるというのは色々とマズい。
とりあえず追い出すことが懸命と思えた。
「うん。あたしも一緒に入る」
「それは何に対する『うん』なんだ?」
「うん?」
「出てけ」
有無を言わさず加奈を持ち上げ、風呂場から追い出した。

「ほーけーほーけー」
いったいどこでそんな言葉を教わって来たのか、風呂の外で加奈は卑猥な言葉を連呼している。
俺は股間の一物を見た。昔、どうしても耐えられなくなり輪ゴムで捲れるよう固定したことがあった。
結果は激痛を経験しただけで、今も一物は堂々と皮を被ってくれていた。
「はあああ…」
思わず長いため息が出る。
「ほーけーほーけー」
俺のため息など露知らず加奈は連呼し続けていた。
「いい加減にしないと、勉強も教えてやらないぞ」
「一緒にお風呂入ってくれなきゃ言い続けるもん」
それはマズい。そんな言葉を連呼する加奈を見たら母や父はどう思うだろうか。
まず第一に俺を疑いそして加奈は「お兄ちゃんが教えてくれた」と嘘を付き、さらにあることないことを口走るに違いない。
そうなると俺の家族間での評価は著しく低下し、近所でも『妹にえっちな事を教えるモテない兄』というレッテルを張られてしまうだろう。
そうなるととても近所を出歩く事はできなくなる…
「…わかった入れ」
「やったー」
鍵を開けてやると加奈はまるで放流された魚のように風呂場に飛び込んできた。
用意がいいことに、ちゃんと服はすべて脱いで、僅かに膨らんだ胸や無毛の割れ目を惜しげもなく見せていた。
「風呂の水は今から入れるからそこに座ってろ」
そう言って加奈に俺の目の前の椅子に座るように指示をした。
「はーい」
加奈は意気揚々と椅子に腰掛けた。一動作一動作から嬉しさがにじみ出ているように思えた。
「やけに嬉しそうだな?」
「だってお兄ちゃんとお風呂入るの一年振りなんだもん」
そう言えばそうだった。俺はちょうど一年前のこの頃、友人に気づかされたのだ。

それは部活後の楽しい一時のことだった。
どんな流れでそうなったかは覚えてないが、俺はその日妹の話をした。
「お前のとこ仲良いんだな」
「だな、もしかしてまだ一緒に風呂入ってんじゃないの?」
途端に笑い声。なぜ彼らが笑ったのか俺にはわからなかった。
「んなわけねーて」
「そこまでいったら異常だって。そのうち子供でも作っちまうんじゃねぇの」
さらに大きな笑いの渦。その中で一人まったく笑いもしない俺。
その時始めて自分の異常さを知った。今までの自分の中での常識が崩れていく、途端に恥ずかしさや世間と自分との壁を感じ恐ろしくなった。
その日以来、遅すぎるかもしれないが、妹と風呂に入るのは止めた。


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