甘い同棲生活⑦-8
「引き出しの上、もう、する気満々なくせに……」
ぷいっ、と自分がどういう気持ちなのか分からないまま、加奈子は顔を背ける。
「いいよ……好きなようにして」
顔を背けたまま、加奈子は言う。
すると二人の体が重なり、唇も重なる。
しばらくーーお互いの仕事の慌ただしさの中で、一緒に眠ることすらなかった。
息子もいない今なら理央がたくさん、加奈子を求めても誰にも邪魔されない。
「ん、ふ……」
髪の毛が結ばれていて露出した耳にも、理央はキスを落とす。
キスしながら、動けない体に指を這わせて、その細いボディラインを確かめる。
加奈子の耳には、舐められている音と、理央の呼吸音が直接的に伝わる。
いつもよりも、ねっとりと、丁寧に舐めしゃぶられる。
においがつくかもしれないほどの愛撫は意識して避けてくれるが、今日はそうはいかないらしい。
「ん、んんっ……」
耳を愛撫しながらも、理央の両手がカットソーの中に入り込む。
検査のために、金具の入っていないスポーツタイプの下着を身につけている。
それに気づいて、理央は下着と、カットソーを同時に上に押し上げた。
小さな乳房がぷるんっと露出する。
温かい手は、二つの小さな果実をゆっくりと触った。
「ん、ぁ……っ」
時折乳頭に触れる指先。
その優しさがもどかしく、思わず体を震わせる。
耳になされるほどの強烈な刺激が欲しくて、体を揺らし、加奈子はついつい誘っているような仕草をしてしまう。
理央は唇を耳から離すと、また唇を奪う。
加奈子の誘いに乗って、理央は親指で優しく円を描くように、乳頭の先を愛撫しだした。
加奈子も舌を動かす。
（キスされながら、そこ触られると……ぞくぞくしちゃう）
愛撫をされているところとは違う、腰の辺りがぞわぞわと、性的なくすぐったさを感じる。
ゆっくりと、下着の中に体液が流れ出しているのがわかる。
もっと、自分から抱きしめて理央を感じたいのに。
そう思いながら、唾液を含ませた舌で、理央の舌を誘う。
しばらく、そうした攻防が続くと、理央は手を伸ばしてローターを手にする。
ブブッとモーター音がなり、加奈子の右胸に押し当てられる。
「ぁ、っ……ぅ、んっ！！」
表面を撫でられる刺激とは異なり、強制的に器具によって与えられる刺激に、加奈子は体を仰け反らせた。
理央は器具を当て続けながら、左胸をちゅぅ、と吸う。
舌先でねっとりと舐め、吸いつつ、ワイドパンツをはいたままの下半身に手を伸ばした。
ジッパーはなく、ゴム素材のウエストを引っ張り、ゆっくりと脱がす。下に履いている肌色のストッキングに手を這わせて、そのザラザラとした感触を楽しんでいるようだ。
「り、理央っ……ん、んぅ」
恥ずかしくなって、思わず加奈子は脚を内側に閉じる。