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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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甘い同棲生活F-6

「ーーそうだよ」

この理央の一言は、重く、自分にものしかかった。





柚木もいる手前、理央は何とか食卓で明るく振舞おうとした。

努めて、普通に。

いつも、柚木が寝るタイミングで理央も一緒に二階に上がる。
そして寝るまでの時間を、理央は自分の時間として使うのだが、今日は落ち着いてそんなことができる心持ちではなかった。

階段を降りて、キッチンにいる加奈子に声をかける。

「加奈子……」

ぼそぼそ……っと自信なさげな、小さな声が出た。

加奈子はパジャマ姿で、ダイニングテーブルに備え付けの椅子に座り、スマートフォンを触っていた。

「なあに? 寝なくていいの? 午前中、すごい具合悪そうだったでしょ」

あまりに加奈子が普段通りすぎて、理央は唇をくっと噛む。
とぼとぼと近寄って、加奈子の腕のあたりの布を引っ張った。

「一緒にお布団、入る……」

「ん。しょうがないなあ」

キッチンの電気を消して、常夜灯がついた和室へ移動し、一枚の布団の中に二人で入る。
理央は、いつものように抱きつくことができなかった。
見かねた加奈子は自分のメガネを外し、理央のメガネをも外すと、自分から理央を左手で引き寄せる。

「もう一度言うけど……あたし、我慢させるの嫌だよ。心配なの。あたしのせいなら、なおさら。お酒で、潰れるなんて滅多にないんだから」

心配そうな顔でじっと見つめられる。
何故、こんなにも加奈子は優しいのか。
理央は加奈子の背中に手を回して、ぎゅううっとようやく抱きしめることができた。
清潔感のあるボディソープの匂いと、加奈子の甘い香りが鼻腔の中を漂う。
口元からは、歯磨きをしたばかりなのだろう、歯磨き粉の香りがする。

「違う、逆。我慢してない。我慢できないのが嫌」

「え?」

「加奈子は僕といると、安心するって言うじゃん。僕は、ずっとどきどきしてる。息が続かなくなりそうになるの。ーーこの間も、強引にしちゃった。嫌だけど、でも」

言いかけたとき、言葉を遮るように、人差し指が理央の唇に押し当てられた。

「それ、あたしのこと大事にしてくれてるからじゃない。だから嫌だって思うんでしょ。それで十分。あたしが悪いとか、理央は言わないもの」

「んぅうう。今日絶対我慢するって思ってたのに、何でそういうこと言うのっっ」

ぎゅぅうっと加奈子の体を抱きしめる。
木綿子の隣で眠った時、確かに人肌や、彼女のにおいに安心する感覚はあった。だがーー

こんなにも揺さぶられるのは、加奈子なのだ、と思わざるをえない。

「何の我慢? 我慢、させたくないって言ったばかりじゃない」


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