『聖なる夜に……』-3
「可愛い顔が台無しだよ……」
溢れ出した涙を指先で掬い取ると……
「さぁ、素敵な夜の思い出に……」
足元に投げ出してあった白い袋の中から、ゴソゴソとポラロイドカメラを取出し……二度三度とシャッターを切る……フラッシュの光で、紘美の影が怪しくゆらめく度に、無機質な音を立てながら、印画紙が排出された……
『いやーっ、止めてください……』
カメラを放り出した男は、ジーンズとトランクスを脱ぎ捨て全裸になり……ベットの上で、恐怖に震えている紘美の脚を大きく広げた……薄い恥毛の間から、未だ型崩れしていない綺麗な花びらが少し口を開き……その奥から、蜜が滲みだしていた……
『いやーーっ、いやーっ……』
男の反り返った肉棒が、紘美の花びらに、あてがわれていた……
「ほーら、プレゼントが欲しいって……君の体が訴えているよ……」
『いやーっ、いやーっ……ううっ……いやーっ……』
花びらに、あてがわれていた男の肉棒が……ヌルリと紘美の奥深くまで入り込んでいた……
『いやっ……いやっ……止めて、うぐっ……ううっ……』
男は、激しく腰を振り、更に紘美の奥深くへ……もっと奥へと……紘美を突き上げる……紘美はボロボロと涙を零し、男の胸をドンドンと叩き、この悪夢から逃れようとする……
男は、更に激しく腰を振りながら、リモコンに手を延ばしテレビの電源を切る……男と紘美の腰のぶつかり合う音と、蜜が纏わり付いた肉棒が、花びらの間を出入りする陰猥な音が、部屋の中に虚しく響いた……
「ほーら、ほら、嫌がっていても……クチュクチュとイヤラシイ音を立てて君の体は、喜んでいるよ……ほら、もっと叫んで助けを呼んでごらん……見知らぬ男に犯されて、私の体は、こんなに感じていますって……」
『ううっ……あうぐっ……いやっ……うぐっ……』
紘美の蜜壺の中で、肉棒が所狭しと暴れまわり、蜜が次から次へと溢れ出していた……
限界点を越えた肉襞は、先程からピクピクと小刻みに痙攣を繰り返している……
『うっ……ああっ……いやっ……うあうっ……』
「さあ、そろそろ約束の……プレゼントをあげようね……うぐっ……ううっ……」
男は紘美の体を引き裂く様に、ググッと腰を突き上げると、膨張した肉棒に更に血液が集結し……大きく息を始めた……
『いやーーっ……いやーーっ……』
「うぐぐっ……ううっ……」
紘美の奥深くで、男の欲望が吐き出される……計り知れない絶望感……紘美の頭の中が真っ白になり、意識が遠退いていった……
ぐったり力の抜けてしまった紘美……欲求をみたした男が、まだ痙攣の納まらない蜜壺から肉棒を引き抜くと……パックリと口を開けた花びらの間から、男の体液がダラリと零れだした……
男は荒い息遣いのまま、絨毯の上に転げ落ちていたカメラを広い上げ、紘美に向かいシャッターを切る……カメラから排出され未だ定着していない写真を、テーブルの上の食べかけのケーキに突き立てると……男は冷笑を浮かべながらカメラを白い袋の中に放り込んだ……
「今宵の素敵な出来事を、夢と間違えない様に……今宵の素敵な思い出を、いつまでも忘れない様に……」
壁の時計は、頂点を指し示し……イブの終わりを告げていた……
男は、未だ意識の戻らない紘美にそっと毛布を掛けると、静かに服を着始める……脱ぎ散らかしたサンタの衣裳と、散らばっていた写真を拾い集め、白い袋に詰め込んだ……
「……今年は、最高のクリスマスイブ……」
大きな白い袋を肩に担いだ男が、踏み散らかされた花束の向こうの扉を開けると、街灯に照らされた粉雪が、キラキラと輝きながら舞い降りていた……
静かに扉を締め、空を見上げる男……鋭く冷たかった眼光は……もとの青年のそれに戻っていた……
「……メリークリスマス……」
……おわり