投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

人妻奈岐
【熟女/人妻 官能小説】

人妻奈岐の最初へ 人妻奈岐 11 人妻奈岐 13 人妻奈岐の最後へ

職場-2

 金曜日、仕事を済ませて早智子と一緒に連れ立って夜の街に繰り出した。奈岐にとっても久しぶりのことでなにか心浮きだつものがあった。それが田中と危うくニアミスを起こすもとになっていたのかもしれない。ただそれは人によってはニアミスと言わないほどの。
 そこの店は、博多の有名なもつ鍋屋さんで、もつ鍋の他に冬は日本酒に合うたらの白子やさっぱりとした旬のお刺身が売りのようだった。席は向かい合う掘りごたつ式の個室の四人席で、真ん中に鍋を囲んで奈岐から見て右に田中が向かい合い、左に早智子が、その向かいに安田が、という形だった。
 もつ鍋が勢いよく煮立ちって、四人の心を暖かくしはじめた。ビールで乾杯のあと、週末の疲れと空腹の中で四人は先を争うように鍋をつついた。コクのあるだしにもつはビールによく合った。しばらくして、白子やお刺身が出来て来たのでタイミングを見計らったように田中が日本酒を頼んだ。
「奈岐さんも日本酒、好きなんですよねえ?今日は美味しいやつを飲みましょう!」
「いいわねえ、私、日本酒が好きな方で、、、、でもあんまり飲めないのよ」
「すこしならいいでしょ、僕も一緒に飲みますから」
と、田中はさすが慶應ボーイらしく言った。
 その日本酒は、すっきりした中に微かな甘みを感じさせる飲みやすいお酒だった。ポン酢で味付けしたコクのある白子によく合う。そして、奈岐は、一緒に出てきた富山氷見産の旬の天然ぶりの少し大ぶりに切ったお刺身を箸に取りわさびを盛ってから、醤油にさっとつけて口元へ運んでみた。奈岐の口の中で天然のくどすぎないけれど芳醇なあぶらとうまみのある肉質が口いっぱいに広がった。酔いが一気に回り始めたのもその頃である。このぶりにあっさり、すっりした日本酒がぴったりと寄り添うように喉にすいすいと入って行った。
 いつの間に、田中が掘りごたつの向かいの席から、空いていた奈岐とは90度になる右のスペースに来ていた。この形はカップルが良くする形だということはもちろん奈岐にもわかったが、美味しいもつ鍋と白子、ぶりにこのおいしい日本酒を普段以上に飲んで、体格が良く若く男らしい田中とこういう位置で近付くことに悪い気は全くしなかった。
「奈岐さん、結婚ってどういうものですか?奈岐さんはちゃんと生活を続けていらっしゃるんでぼく、いろいろ訊きたくて、、、」
「うん、私は主人と知り合ってもう十五年、結婚して十年、長いから何か空気みたいな感じになってて」
「えっ!、そうなんですか、奈岐さん、若いから結婚したばっかりかと、、、」
「何言ってるの、おばさんを捕まえて」
「おばさんなんて言わないでください。僕ずっと奈岐さんのことあこがれていたんですから」
「えっ、、、」
と奈岐が詰まったのを田中は見逃さなかった。
「奈岐さんが独身だったら絶対口説いてるのになあ、、、、」
「そんなこと言わないの。田中君にもいい人いるんでしょ?」
「まだいないんですよ、奈岐さんと恋人になりたかったなあ、、、、、」
危ない会話だった。


人妻奈岐の最初へ 人妻奈岐 11 人妻奈岐 13 人妻奈岐の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前