one-sided love*happy end*-2
「…立ってんの、疲れちゃったし。座って話そ…。」
そう言って、手を握り返してきた。
「うん…。」
もう、この気持ちを隠す事は出来ない。
勘の良い兄やんだから…。
アタシが…自分でバラしてしまったようなものだから…。
知っているんだろう…自分の妹が、自分を好きだという事を。
それは、『兄妹』だからという感情ではなく、『異性』としての感情だという事も。
全て……知っているから、ここに居るんだろう。
それは、優しいから…。アタシが心配だから、居てくれているだけなんだろう…。
「兄やん…。」
だから、アタシも
言わなきゃ…。
嫌な事も、笑顔で受け止められるような、兄やんに…。
「ちょっと…長くなるけど…。」
「…いいよ?あ…今日は、夕飯2人で食べるようにって言われたから……出前でも、取る…?」
「まだ…いい。」
そう言うと、兄やんはお腹空かない?と聞いた。
「大丈夫…あのね、兄やん…。アタシ…」
そこまで言って、言葉に詰まった。
何て言えば良いの……?
好きなの…。いや、違う…。
待って、言えない…!
もし、軽蔑されたら…?
そうだよ…実兄に惚れる妹なんて、異常だよ。
打ち明けた所で、自分に残るものは…何?
怖い。
言うのが怖い。
今はこうやって繋いでいてくれてる手も
全てを話したら離れて行きそうだよ…!
「ハユ…?」
伝えようかという迷いと、その後の後悔を恐れる気持ちが交差する。涙が出る。
「……ごめ…何でも…ないや……。」
「…何で…じゃあ、泣く…の?」
兄やんの声が…震えてる?
更に強く、強く、痛いくらいに握り締められる手。
ポツ…と、兄やんが洩らした言葉。