第二十八章 別れ-2
「あらあら・・熱いわねぇ・・・」
からかうような口調で、顔を綻ばせている。
眩しそうに海を見つめる瞳は光を反射させ、アップにしていた髪をおろした姿は何歳も若返ったようで僕の胸もときめいた。
この人と僕は激しいセックスをしたんだと、今更ながら興奮している。
「その様子だと、済ませてきたようね」
映見を挟むように隣に座ると、いたずらな目で聞いてくる。
「えっ・・・・?」
僕が戸惑いの声を出すと、嬉しそうに言葉を繋いだ。
「朝の・・セッ・・ク・・ス・・・」
僕と映見は顔を見合わすと同時に、頬を赤く染めた。
「フフフッ・・・」
図星だったことに、かおりさんは笑い声をあげた。
「恥ずかしがることないわよ・・・だってぇ」
見上げる視線の先に藤本さんが立っていた。
「う、うんっ・・・」
照れ隠しの咳ばらいをしながら、僕の隣りに座った。
「おはようございます・・・」
何もなかったように、挨拶を交わす。
【おはようございます。】
僕と映見も声を揃えた。
「ンフフ・・・」
かおりさんは含み笑いのまま、見つめている。