HAPPY LIFEF-2
「嘘ついたりしてすいませんでした」
「あなたのせいじゃないもん、気にすることないよ」
「本当に別れちゃうんですか?」
こんなこと聞いてもしかたないのに。
「それがお互いのために一番いいのよ」
1ヶ月後、先輩は本当に行ってしまった。
ちょっとだけど先輩のことが知れてよかったと思う。何年経っても、先輩はずっと憧れの先輩として高校生活の思い出に残るんだろうな…。
「…青春?」
「そう。今まさに青春だと思わない?」
昼休みの保健室。早絵と"青春"について語り合っている最中です。
「そうね。あなた達は青春まっただ中」
保健室の仲川先生も加わった。
「やめてよ〜先生。明日香調子に乗っちゃうんだから。それに青春って…」
体育の時間に倒れてお世話になって以来、保健室にお邪魔することが多くなった。お弁当は毎日ここで食べてるの。
仲川先生は、優しくて美人でしっかりしてて、生徒の気持ちもよく分かってくれるからすぐ仲良くなっちゃったんだよね。
「そういえばさ、最近夕里の様子がおかしいと思わない?」
突然早絵が言い出した。私もなんとなく変だなとは思ってたけど…。
「明日香何か聞いてない?」
「特になにも」
「そっか」
ガラッ!
「ごめ〜ん、遅くなっちゃった」
夕里がお弁当を持ってやって来た。思わず早絵と目が合う。
「どうしたの二人とも、見つめ合っちゃって」
笑いながらお弁当の包みを開く夕里。
そんな中、私と早絵はどっちが夕里に話を切り出すか目と目で交信中。
(ここは明日香がパッと明るく…いやいやここはやっぱり早絵ねぇさんが…)
話し合いの結果、早絵がさり気なく聞くことになった。
「夕里さ、最近何かあった?」
…!?
「どうしたの急に?」
アッサリ返す夕里。
「最近様子がおかしいねって、今話してたとこなの。ね、明日香」
えっ?今私に振った?
「う、うん。最近様子がおかしいねって」
同じこと言ってるし。意味ないじゃん。
「ん…まぁいろいろあるのよ、脇役だけど。っていうか主役は明日香なんだからさ、明日香自分のこと話しなさいよ」
「そっか!そういえばそうだったね。で、どうなの?」
早絵が裏切った。
夕里とグルになって聞いてくる。
「…どうって、どうもしないよ」
「それじゃダメだよ、恋愛小説なんだから」
うぅ…痛いとこ付かれた。
「あっ、渡辺くんとはどうなってるの?最近いい感じじゃん」
「…やめてよ、あんな野球バカ」
確かに最近よく話すようになったけど、別にそんなんじゃないし。
「渡辺くんってあの時の?なかなかいいじゃない。将来きっとかっこよくなるわよ」
仲川先生も参戦。
なによ、みんな寄ってたかって…。
「残念ながら雄大とは何もありません!」
「"雄大"だって〜」