one-sided love*painful-1
「兄やん!早く食べちゃってよ!」
いつもと変わらない日曜の朝。
いつもと変わらない食卓。
…いつもと変わらない、兄やんの皿の上…。
「だって…嫌い、ソレ…。」
携帯の顔文字で変換したら、『(´?`")』こんな顔…あからさまに嫌そうな顔をして、『ソレ』を拒否る兄やん。
「だって…せっかく作ったのにい…。」
アタシも負けじと、悲しそうな顔。
この顔、実は兄やんを困らせる時の必殺ワザだったりする。
…案の定だ。目反らしやがった。
「んぅ"…ハユ…食べて…?」
…。はぁ。
今日は、ピンクのポロシャツにダメージジーンズ…似合ってるから、許してやろう…。
てか、ほんとアナタはピンクが似合うわ…。
「仕方ないなぁ…太っちゃう。」
そう文句を言いながらも、『目玉焼き』を口に運ぶ。
「ありがと、ハユ…。」
顔をくしゃっとさせて、無邪気に笑う兄や…
「ん……ぐぐっ?!」
黄身が、喉に詰まった!
苦しそうにもがくアタシを、ただただ見る事18秒…
「…あ、水…。」
いや、遅いって!!
はぁ……、大丈夫かな…アタシ…。
あっ…と、自己紹介が遅れました。
こんにちは!笹川ハユルです。
で、こっちの男は兄やんのチユル。目玉焼きが大嫌い。
理由?聞いてみて?
「兄やん!ホラ、答えて答えて!」
「…え、誰…?」
「いいから!」
「…んぅ……、パサパサしてるんだもん…。」
『パサパサ』……お前は3歳児か!!
と、思わずツッコミを入れたくなるこの男…。
でも、細くて長くて整ってて…ウルトラスーパー優しい…。