one-sided love*painful-5
それは…アタシが兄やんの、『妹』…だから…?
「…帰る。」
「ちょっ、ハユル!!」
結莉が引き止めようとしたけど、もう耐えらんなかった。限界だった。
あんな美人と付き合ってただなんて…ヒドい、最低だよ兄やん…。
人込みを掻き分けるわけでもなく、ただただ、出口に向かって歩いて行った。
何人にもぶつかって、その度に涙が頬を伝う。
ブワッ………
外に出た瞬間、風が直撃した。
頼りなく歩き、近くにあるベンチに座り込む。
「…っ、あははは……。」
ねぇ、兄やん。
アタシ…知ってたら…、好きになんかならなかったよ…。
アナタの事で…こんなに泣かなかったよ…。
『妹』を追いかけにも来てくれないアナタを、愛しいだなんて思わなかった……!
「ふ…ふふ……あはっ…あははは…。」
思わず、笑いが口から出てしまう。
でも…涙も止まんないや。
こんなに…好きだったっけ?
こんなに泣く程?
………いつから?
でも、きっと
もう引き返せないな。
止まれないよ。
戻れないから……。
もう、アナタしか想えない。
兄である、アナタしか。
*continue*→→