one-sided love*painful-2
好きなんだよなぁ…。
思わず、見つめる。っと、いけないいけない。今日は、お出かけするんだったんだ。
意識飛ばすとこだった。危ない。
洗い物を済ませ、エプロンで手を拭きながら兄やんに声をかける。
「兄やん!アタシ、今日結莉と出かけるから!」
「ん…俺も〜…。」
「はいはい。」
「冷たい…ハユ…。」
「オミヤゲ買ってきまちゅから、イイ子にしてて下ちゃいね〜。」
………。
「オミヤゲ…んむ…気をつけて…。」
………やっぱり、3歳児並み…。
……―――
「ごめん!遅れたぁ!」
駅前に新しく出来たショッピングモール。80店舗以上入ってるだけあって、大きい建物。
「遅い!20分以上遅刻よ!」
入口前に植えてある木の下に立っているあの女。
本行 結莉芳(もとい ゆりは)、幼稚園からの幼馴染み。
嫌いなもの、嘘。好きなもの、金。そして、金。
「ごめんごめん。チユ兄が、行きたいって我儘言って…。」
あの後、オミヤゲは自分で選びたいからついてくとダダを捏ねたのだ。人が好意で買って来てやると言ったものを…。
…つーか、もはや自分で選んだらオミヤゲじゃないし…。
「…チユ君が?」
「うん…まぁ、置いて来たけど。」
家を出る頃には、ふてくされて拗ねてたし……可愛い。何買って帰ろ…。
「チユ君なら大歓迎!今から呼びなさいよ!!」
「…はぁ?!2人っきりで買い物したいって言ったのは、アンタで…」
………忘れてた!!結莉芳は、根っからの…
「だって、久しぶりにチユ君に会いたいもん!」
チユチユ大好き人間『チユコン』だったんだ…。