恐れていたこと-1
その日一日、、私は明らかに集中を欠いていました。
部活ではミスを連発し、塾では簡単な質問にも答えられず恥ずかしい思いをしました。
そのくらい昨夜の刺激は強烈でした。
「出来れば、、また行きたい」
可能だろうか・・・・
溜まり兼ねた私は、まだ夕刻だというのに、家族の目を避けるためにシャワーを装い、自らを辱めた。家族の留守中ならいざ知らず、夜になっていないのにしてしまったのは初めてでした。
私は、既に箍が外れていました。
夜、、やはり勉強も手に付きません。
せめて自分で、、と思うのです、兄の部屋からは物音が聞こえてきます。兄が起きている間は、トラウマもありしないようにしていました。早く寝てくれればいいのに・・・
そう思いながら、重い筆をなんとか進めていた私でした。
が、ふと気づくとやたら静かでした。時計を見ると零時を過ぎたばかり。
もしかして、と思い、一階と兄の部屋の様子をうかがうと、どうやら珍しく家族は眠りについたようでした。両親はともかく、兄にしては早い就寝です。
好都合だと思い、私はベッドに横たわりました。
下着に手を入れようとしたその時、
「、、今から、公園に行こう」
前回より二時間も早いけど、もう誰もいないだろう、、、とにかく、私は興奮しきっており、冷静でなかったように思います。
昨夜の服を取り出し、連夜で公園に向かいました。
昨夜と同じ道を通り、昨夜と同じ入り口を進み、そして、昨夜と同じ雑木林で、、、私はまた裸になり始めました。
しかし今夜は、裸になるだけでは飽き足らず、少し歩いてみることにしたのです。
これが間違いの始まりでした。
脱いだ衣類を置きっぱなしに、私は来た道を戻ってみました。
胸の高鳴り、、、昨夜以上の興奮で、これまでに感じたことのものでした。
もともと好奇心の強いほうで、大胆にも私は遊歩道の手前まで来てしまいました。
「、、誰もいないもの・・・何てことないわ」
気が大きくなり過ぎていたようでした。
普段なら大勢の人でにぎわうこともある公園の遊歩道で、今私は、一糸纏わぬ恥ずかしい姿で立っている。そう考えただけで、大事なところがじんじんと熱くなってくるのがわかりました。
「、、、横になってみよう」
歩道の上だとさすがに痛いので、芝に入って横たわってみる。目の前には夜空が広がっている。
「もし外で襲われたら、、、こんな景色なんだ」
もはや、もうひとりの自分も現れないほど、呆れるほどに恥ずかしい妄想をしている。妄想にとどまらず、私は膝を立て、脚を広げて、
「きっとこんな風に股を開かされて、、、挿れられちゃう前に指で責められたり、、、するのかな・・・やっぱり気持ちいいのかな、、、それとも怖くて感じたりは・・・・」
自分で指を当ててみようとした、その時でした、
「えっ、、、、人の声?」
しかも複数人のようで、会話の声がだんだんと近づいてくるのがわかりました。
どうしよう・・・・
動揺した私は、思わず起き上がってしまい、相手に発見されることになってしまいました。いくら暗闇でも、こちらから相手が確認できたように、向こうにも私が見えたようです。
「あれ?、、、人がいる」
「、、、あ、ほんとだっ!」
「おい、、待てよ・・・裸じゃねえか、、、女じゃん!」
見つかった、、、
まずいと思った私は、遊歩道を挟んだ反対側の、服を置いてある雑木林のほうへ逃げ込みました。
遊歩道を越えて、芝のほうで寝そべっていたのが間違いだった。それだけ距離が出来、逃げるのが遅れました。
「逃げたぞっ!」
明らかに男の人の声と判る主たちは、私を追い始めました。そんなに足も遅くはないのだけれど、靴も履いていません。ブラをしていない胸も、痛いくらい揺れていつもほど速く走れない私は、あっという間に男の人たちに捕まってしまいました。
「いやぁっ!、、、ち、ちがうんですっ、助けてっ!、、放してくださいっ!」
混乱して喚き散らす私は、まず口を塞がれました。
「どういうことよこれ、、、なんで裸なんだ?」
私は背後に回った人に口を塞がれ声を出せず、正面にいた・・・三人の男の人がじろじろカラダを見てくるので、手で胸とアソコを隠しました。家族以外の男の人に裸を見せたのはこれが初めてでした。
今まであれだけの妄想を膨らませておいて、いざ男の人の前で肌を晒すと恥ずかしい、、、そしてそれ以上に、相手は着衣のままなのに自分だけが全裸で、、、それがすごく惨めだった。私の大事なところが晒されていることが耐え難い屈辱でした。
「まぁまぁ、、少し落ち着こうよ・・・名前、何ていうの?」
背後から冷静で、どこか優しそうな声でそう聞かれました。
「、、、お、お願いです。帰らせてください」
私は泣きそうになりながらも、努めて冷静に後ろにいる人に言いました。
「心配しないで。事情さえ説明してくれればすぐ放してあげるからね。まず君が説明してくれなきゃさ・・・場合によっては警察呼ばなきゃ」
け、警察?どうして・・・
私は思いもよらぬ言葉に心臓が飛び出るかというほと動揺した。こんな状況下でも、今警察を呼ばれたらどんなことになるかくらいは解る。
「あ、いえ、、、だから違うんですっ」
「落ち着いて、、、『違う』と言われてもわからないよ。お願いだから落ち着いてさ、、、解るように説明してよ」
一段と優しくなった声に、ほんの少しだけ落ち着いた私は、このままでは拉致が開かぬ、時間にも限りがあるし、、、正直に話せば放してくれそうな気もしたのでそうすることにした。