第三十四章 弾けた理性-3
『ああっ・・・いやぁっ・・・』
一瞬、晴彦の顔が浮かんだ。
『ほら、みなさんが見ていますよ・・・』
あごを持ち上げるようにして、顔を客席に向けられる。
『あなたのいやらしい姿を・・・』
『いやぁっ・・・』
反射的に目と閉じたが、まぶたにはギャラリー達の表情が焼きついていた。
(み、見ている・・・みんな・・・)
『あぁっー・・・』
強烈な快感が湧き上がってくる。
薄く目を開けると、逞しい筋肉の男が両足を抱えていた。
『はっ・・はっ・・・ふっ・・はっ・・・』
規則正しい息遣いで腰を動かしている。
『あんっ・・はっ・・・はぅっ・・・』
それに合わせるように、香奈子も息を弾ませていた。
(ああ・・・わ、わたし・・・?)
『気持ちいいですかぁ?』
耳元で声がする。
『気持ちいいでしょう?』
二度目の時に、ようやくそれに気づいた。
『ああっ・・ああああっ・・・』
快感が増幅する。
(わたしっ・・・してるっ・・・
セックスしてるっ・・・)
『ふっ・・んっ・・んんっ・・・ふっ・・・』
同時に貫く男が改めて意識され、その息遣いが急に身近に感じるのだった。
『あんっ・・・はっ・・あんっ・・・
あっ・・・・ああっ・・・』
ヴァギナを出し入れする熱いコックの感触をかみ締める香奈子は、男と共にリズムを刻み始めていく。
『ああっ・・・あっ・・・あっ・・・
はぁっ・・・あああっ・・・』
(い、いいっ・・ああっ・・・
何ぃ・・・これぇ・・・・?)