第三十三章 裏切り-5
『見て下さい、みなさんっ・・・』
大げさな声が響く。
『この人はここに来る前に、
こんなものを入れていたんですよ・・・』
男が指差す広げられた股間に、ギャラリー達の視線が集中する。
『上品ぶっている割には大胆ですよねぇ・・・』
『いやっ、いやぁ・・・』
必死にかぶりを振るが、後の祭りだった。
『奥様、あなたはいやらしい人ですねぇ・・・』
『そ、そんなぁ・・・』
(ど、どうしよう・・・?)
否定しようにも、股間で震えているヴイブレーターが動かぬ証拠である。
『認めますね、奥様・・・?』
泣きながら顔を振る。
それでも認めるわけにはいかない。
『じゃあ、みんなで分からせてあげましょう』
『あっ・・・ん・・・・』
両脇から愛撫する、男たちの熱い息と舌が耳を刺激する。
『やめ・・・やめてぇ・・・』
『何だい、こんなに濡らしてぇ・・・』
『さあ、お客様によく見せるんだよぉ・・・』
『ああっー・・・』
『いやらしい人だ・・・』
両耳から熱い息が囁いてくる
。
『気持ちいいのっ・・・?
ほら、ほらほら・・・』
『あんっ・・ああっ・・あっ・・あっ・・・』
バイブレーターを押し込む革手袋の感触が、乱暴に動いていく。