「Hな本に」ついてA-1
前回のお話で。
遠く離れたバイパスに。
往復10キロ、チャリを飛ばして。
エロ本買いに行く、お話しました。
当時は。
エロ本買うのも一苦労。
自販機といえども。
煌々と灯りをともす前を。
パジャマにトレンチコートの妖しい高校生。
ゴトンと本がでるまで。
辺りをキョロキョロ。
自販機でさえ、こうだから。
本屋なんかでは、買えましぇん!
しかも、ああた。(江戸っ子か?)
700円のエロ本(オヤジの部屋に移りました)でさえ。
オバサンみたいな。
詐欺寸前の内容。
どれだけ、お小遣いを無駄にしたか。
思い返せば、オヤジに出させれば良かったのか?
でも、ある日。
スーパーで「神本(カミホン)」に出会ったのです。
日曜の午後。
午前のバスケ部の練習も終わり。
大好きなマンガを「コーラとポテチ」で。
週に一度の、至福の時間。
貯めた小遣い千円札を握りしめて。
近所のスーパーに買いにいきました。
何気に書籍コーナーをみていたら。
「映画の友」と名のつく雑誌。
綺麗な女の人の表紙。
でも、見たことのない芸能人。
フンフンと本を開いたら。
おいおいおい・・・?
「何じゃ、こりゃぁ・・・!」
思わず松田優作になって叫びました。(小声で)
ところで、皆様は。
「日活ポルノ映画」を御存知でしょうか。
アダルトビデオ等、無い時代。
場末の映画館で上映していました。
でも、高校二年生では入れません。
薄ボケたピンク色の看板を、羨望の眼差しで。
深夜番組でさえ、親の目を盗んで観る時代。
そんな憧れの「日活ロマンポルノ」。
ポルノ!(死語)
ロマンポルノ!(やっぱり死語)
当時、少年達は。
「日活」という単語を聞くだけで。
「ピー(≧o≦)」が、充血しました。
そ、それが何と!
「映画の友」はその機関紙だったのです。
サトシ少年が何気に開いたページには。
深夜番組で一瞬でしか流れない映像が。
てんこ盛り!
おいおいおい・・・。
サトシ少年、あたりをキョロキョロ。
ゴクリと。
喉が鳴りました。
おっとぉ・・・。
値段は?
何と。
580円!
り、良心的だぁ。
しかも、エロマンガ付きだぁ!
買える!
買えるぞぉっ・・・ぞぉっ・・・ぞぉっ・・・。
(エコー、かかってます)
再び、サトシ少年。
辺りをキョロキョロ。
幸い、誰もいない。
近所には同級生の女子もいない筈。
では、レジは?
オッサンだぁ!
いつものパートのおばさんではない。
店長らしき年配の男性。
今日はポテチもコーラも無し!
と、言いたいところだが。
さすがに単独でエロ本は。
素早く計算して、かさばるお菓子を。
オッサンがレジ打ち(今のようにピッではない)している間。
腕時計の時刻を合わせるふりして。
何とか、ミッション遂行!
「ダァッー。」
と、叫びながら帰宅。(マジで興奮してました)
本棚の隙間に隠して。
何気に夕食。(味、しない)
真夜中、こっそりと。
堪能しました。(涙)
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でも、神本がスーパーで売っているのはマレで。
しかも、レジ打っているオバサン相手に買う勇気はなし。
何だかんだで、あの頃は。
エロ本買うのも一苦労。
五段変速に乗って。
10キロ離れた隣町の商店街まで。
古びた本屋。
「知新堂」などとインテリっぽい店名。
でも中身はマンガとエロ本ばかり。
そしてレジ、店番はオッサン。
波平さんソックリの。
しかも不愛想。
サトシ少年にとって。
天国のような、お店でした。
しかし、その日は。
10キロ、チャリ飛ばしたのに。
店番が綺麗な女の人。
嫁か、娘か。
オー、ジーザス!
商店街を30分もうろついたのに。
交代なし。
波平!
いい加減にしろ!
泣く泣く引き返す、気の弱いサトシ少年。
しかし、一縷の望みで。
途中の駅前の本屋へ。
レジは?
オッサンだぁ!
雑誌コーナーには?
あったぁ!
ゴクリと。
喉が鳴りました。
いざ、レジへ。
その時だった。(タイムスクープハンターの要潤調で)
肩を叩かれた。
先輩が笑っている。
しかも、二人。
クラブは違うが、何故か可愛がられていました。
「サトシくぅん・・・?」
「何かなぁ・・・この本?」
知ってるくせにぃ・・・。
僕を、いじります。
はずかちぃ!(≧O≦)
でも・・・買いました。(^o^)
その後、何か月も
いじられまくりました。
「映画の友」のサトシ君と。
何度、人前(JK含む)で呼ばれたことか。
だけど・・・。
先輩の下宿に遊びにいったら。
バックナンバー2年分の・・・。
「映画の友」がありました。
「映画の友」は。
神(かみ)本です・・・。(^o^)