幽霊と一緒〜文化祭編〜-5
以外にオバケ屋敷は好評で常に長蛇の列だった。
おそらく璃逢が受け付けをしていたのが最大の原因であった。
僕も客を驚かせようと頑張ったがあまり良い結果は得られなかった。頻繁に疾風が僕の背中に糸こんにゃく入れたのでそのたびに悲鳴を上げた。
蒼氷は蒼氷でフランケンを必死に演じていたがまったく恐くはなく、むしろ面白いくらいだった。
「……疲れた」
「客多すぎ〜」
「やっと終わった」
「なんか悔しい」
上から零、璃逢、疾風、蒼氷である。
場所は学校の中庭。
零たちのクラスは大成功に終わり、学校全体で最高の集客率だった。
「帰って寝たい……」
普段は元気な蒼氷も憔悴しきっていた。
「おーい」
遠くから市村が四人を呼んでいる。
「打ち上げ行くぞー!」
こっちに走りながら告げる市村。
「え、片付けは?」
「あぁ、明日で良い。」
本当にこの人は先生だろうか?
「みんな待ってるぞ、あとはお前達だけだ」
「じゃあ行くか」
正直行く気力などないが行くしかないし、断ろうが行かなければならないだろう。
その晩、近くの飲み屋で打ち上げが行われた(もちろん市村の奢り)
璃逢と疾風が“大人の飲み物”を飲んでいたが市村が止めなかったのでヨシとしよう。
即興といえどもみんなが一つになった文化祭。
できれば来年は事前に知らせてほしい、と零は思った。