女らしく【18】『彼岸と此岸と境界線』-5
「…マコト、俺もマコトが好きだよ。愛してる」
段々と目頭が熱くなる。ポロポロと涙の粒が滴り落ちる。
「大和ぉ…」
「…泣くなよ」
大和は苦笑しながら言った。
「だって、だって…嬉しくて…大和がそんなこと言ってくれるなんて…」
「マコト、ずっと一緒にいたい」
オレは涙を拭うと笑いながら言った。
「ああ!ずっと一緒だ!オレも愛してる♪」
そういうとオレは目を閉じ、顎を少しだけ上げた。
いくらなんでも、大和だって此所まできたら…
5秒…10秒…15秒…
こない…
目を開けると大和は戸惑っていた。
まさか、此所まで鈍いとは…
「ほ、ほらっ!わ、分かるだろ!オレが何して欲しいかって!こ、こういうのは男からするもんだろ!!」
顔から火が出そう…
大和の顔も赤くなっていく。
再び目を閉じ、大和を待った。
そして…
柔らかな唇が重なった…
永遠に似た一瞬が過ぎていく。
幸せが身体中を駆け巡る。
やがて、名残惜しいが大和の唇が離れていく。
目をゆっくりと開けた。はにかんだ様に笑う大和がいた。
「ありがとう♪」
そういえば…オレ…今のファーストキスだよな!
「大和、大和のファーストキスって今の?」
その何気ない問いに大和の目が泳いだ!
「…違うのか?」
「…もう時効だから言うけど…昔さ、二人共よくマコトん家の道場で昼寝してただろ?」
ああ…って、まさか!
「…何時だったか…寝てるマコトに…」
大和の顔がどんどん赤くなっていく。
っていうか、何されてんだよオレ!羨まし過ぎるぞ、過去の自分!
「…でも、こういうこと軽はずみでやっちゃいけないと思って…マコトを幸せに出来る様になったらって…それからは…」
今、切実にタイムマシンが欲しい!
「と、とにかく、病室に戻ろうか!!」
大和が少し慌てていた。そんなところも可愛くて仕方がない♪