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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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佐久間亨の憂鬱@ー番外編-1



前髪を横に流し、髪の毛全体にゆるくパーマがかけられており、頭のサイドは綺麗に刈り上げられている。
どこか危なげなセクシーな印象を受ける、その男の名前は佐久間亨。
彼女ナシ、実家が側にあるとはいえ、家を出て一人暮らし。
同じ職場で働く中村加奈子とは、職場の中で隠してはいるが六つ違のいとこだ。

朝出勤してきて、給湯室の端にある長机に備え付けてある丸椅子に腰掛けて、スマートフォンをいじりながら亨はコーヒーを飲んでいた。
十月も半ばだ、既に肌寒い季節となっている。
亨は上下セットアップで、紺色のチェックの細身のスーツを身にまとっている。

「あ、……おはよう」

周りに誰もいないことを確認してから、給湯室に入ってきた加奈子が亨を見つけて挨拶する。
綺麗にひとつに縛られたサラサラの黒髪、黒縁のメガネ。
程よく施されたナチュラルメイク。肌の手入れが丁寧になされた肌。
清潔感がありつつ、黒のジャケットに、少し緩めの黒のワイドパンツを合わせているのがカジュアルさをも醸し出している。
シングルマザーでありつつ、かなり自分を気遣っていることがわかる。

ーーそして、亨は加奈子が柚木を妊娠したタイミングから、今までの状況を、自分がいちばん知っていると思っていた。

「おはよ、加奈ちゃん」

加奈子が妊娠していると、自分の母親から聞かされたのは十二年ほど前だっただろうか。
まだこの会社には勤めていないときだった。
実はーー亨は密かに加奈子に憧れを抱いていた。
それはあくまで憧れだった。
おそらく、セックスの経験もほとんどないであろうと、清潔感溢れる加奈子に対する処女神話のようなものだったのかもしれない。
一方の亨は、二十代後半の時には女性と遊びたい盛りだった。
だからこそ、自分と遊ぶ女性にはない、大人でありつつ、一方清純なそのありように憧れを抱いていたのだと思う。
ーーその妊娠の事実を聞いた時に、あまりに生々しすぎたのだった。

加奈子もセックスをするのか、と。

「加奈ちゃん、佐藤の香水の匂いめっちゃするけど」

亨はコーヒーの入ったマグカップを置きながらそう言った。

「えっ、えっ……?」

煎茶を入れようとマグカップをサーバーにセットした加奈子がバババッとジャケットの襟元を払う。

「佐藤が香水つけたすぐ後にハグしたな。熱いねぇ」

「え、あ、昨日柚木が会いたがってて、佐藤くん、泊まっ……たから、んん……もう……やだ……」

加奈子の甘めの香りより、理央の男性ものの香水の方が強い。
とはいえ、香水を振った直後、首筋のそれが濡れたままの状態でハグでもしなければ服に匂いはつかないだろう。
加奈子の顔は真っ赤だった。
顔が熱いのを冷まそうとしているのか、冷たい煎茶をぐいっと口の中に入れ、再度温かい煎茶を注ぎ直している。


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