『甲賀地下蔵』-6
§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§
壁に据えられた釣燈蓋の灯りが、横たわる庄左衛門の眼前に立つお江の白い肢体を黒い影とともにぼんやりと蔵の空気の中に浮かび上がらせている。
既に庄左衛門の手で上半身の衣類を大きくくつろげさせられ、下腹部を覆う裾も大きく捲りあげられていた。
やや恥じらいの風情も醸し出しているお江の肢体には負傷の名残がそこかしこに見られるものの、汗を滴らせ滑る白い肌や引き締まった筋肉のしなやかさは、これまでお江と躰を重ねてきた男達を惹きつけてきた彼女の魅力そのものだった。
そんな彼女の視線の先にいる庄左衛門は身じろぎすることもなく、ただ眼前のお江が彼を跨ぐようにしてゆっくりと腰を沈めていく様を見守っていた。
彼女の左手が庄左衛門の滾りに添えられ、そのままゆっくりと茂みの中へと導いていく。
「くっ・・・・・・・・」
「ああ・・・・・・・・」
庄左衛門の呻きとお江の溜息が空気中に吐き出された時、庄左衛門の全てはお江の襞をめくり上げつつ、気づけば彼女の中に包みこまれていた。
お江の盛り上がった臀部の重みが庄左衛門の太腿に直接伝わってくる。
任務上“くの一”の女体を知り尽くしているはずの庄左衛門には、久方ぶりに味わう“女の味”であった。
「・・・・・この世に、極楽浄土があるならば・・・・」
「え・・・・・・」
お江の腰がゆっくりと動き出し、その動きが持たす快感の波に唇を噛み締めつつ、庄左衛門は眼前で上下に揺れる2つの膨らみに手を伸ばしながら独りごちた。
「今まさに、これがそうであろうな・・・・・・」
「まあ・・・・・・・」
庄左衛門の言葉に微笑むお江の腰の動きは次第に緩急をつけ始め、庄左衛門の両手が乳房をこね回し始めることで、お江自身もいつしか快感のうねりの中に飲み込まれようとしていた。