『甲賀地下蔵』-4
茂みの奥が濡れそぼっており、お江が既に庄左衛門を迎え入れる準備ができているのが分かれば、庄左衛門にはもはや何の躊躇もない。
あとはただお江と1つになるのみ。
だが庄左衛門がお江の中から指を抜き、胸元から唇を離した時、今まで庄左衛門の愛撫に身を委ねていたお江がおもむろに躰を起こす。
驚く庄左衛門を尻目にお江は潤んだ瞳で庄左衛門を見つめる。
「どうぞ私にお任せになって・・・・・・」
「しかし・・・・・お江殿、そなたはまだ回復して日が」
「いいえ、小父様こそご無理をなさらず・・・・・小父様のお陰でここまで回復したからこそ」
お江の言葉の真意を察した庄左衛門は漸く頷く。
お江の為すがまま脱ぎかけの衣を全て取り払われ、蓙の上に仰向けに横たわった。
そして年甲斐もなく血を巡らせ固くそそり立つ庄左衛門自身がお江の掌に包みこまれ甘い吐息を吹きかけられた時、庄左衛門は思わず背中を弓なりに反らせ不覚にも苦悶と快感の入り交じった呻き声を発していた。