妹、外患を取り去る-3
「ひろや君、遅いよ!」
「ごめん、ごめん」
さやかは僕の隣に来て、僕にだけ聞こえるようにつぶやいた。
「お姉ちゃんとキスした?」
僕はドキリとしたが、平静を装った。
「うん」
「じゃあ、セックスも一緒にしてみる? わたしお姉ちゃんとならいいと思ってる」
「えっ?」
僕は思わず百合子の顔を見た、冗談で言っているのではないことはわかった。
「お姉ちゃんもひろや君とセックスしたいって内心思っているし、私もひろや君が好きだから、一緒に気持ちよくなりたい」
「でも……」
「大丈夫、お姉ちゃんが妊娠しててできないからって、そんなことないよ、遠慮しないでいいよ」
それはそうかもだけど……僕はまだ迷っているんだ、。
「さやかお姉ちゃんのお腹に赤ちゃんがいるのに、そんな時にそんなことしていいの?」
「だって私たち家族になるんでしょ? もう他人じゃないんだからいいじゃない、お姉ちゃんの機嫌って案外そういうことでよくなるかもね」
百合子は僕の手を取り自分の胸に当てた。ドキンと心臓が跳ね上がる。正直ドッジボールどころじゃなくなったけど、百合子を守るためにちょっと本気で小学生を相手にし出し、けっこう面白かった。
僕の橘の家と、百合子の植草の家はもう付き合いやっていくしかなくなっている、百合子と僕の交際が明るみになれば、僕の家はめちゃくちゃになる、百合子の家だってただでは済まされない、そうなったらせっかくのさやかの子供もどうなってしまうかわからない、それだからさやかとは仲良くやて行きたいのだけれど、僕のことを支配的にいじめるばかりで、どうしていいのかわからなかった、それもこれも僕が悪いことはわかってはいたけれど…………
「あなたとキスしたのは、許したわけじゃないんだから、勘違いしないでくれる?」
僕の家庭に入り込んで食事もとってるくせに、さやかは酷いよ、こんな会話日常茶飯事で、とりなしてくれるのは百合子だけなんだ、母も父もそんなの慣れっこになったみたいで、特にかばってもくれないし、って仕方ないんだけど。
「お姉ちゃんそれくらいにしてよ、ご両親の前なんだし、それよりお姉ちゃん食べた後は一緒にお風呂入ろ? ひろや君もだよ」
「はぁ? なんであたしがこんな奴と一緒にお風呂入るのって」
「いいじゃない、もう家族も同然なんだよ、そんなつっけんどんにしていたらお腹の子にも良くないよ?」と百合子
眼を丸くし、見つめ合う両親だが、少し思案して、止めてくれるのかと思ったのに、そのまま食事は続いていた。
「公一さん、美波さん今晩は特別に泊まっていさせてくださいませんか」この子ホントに小学5年生かよ!
「いいわよ、後でご両親に電話するから、その時は代わってね」と母
「ま、そういうことだな」と父
「ちょっと待って僕の意見は」
「「「「ない」」」」