妹、外患を取り去る-2
認めるということは僕は親であることを認めることになる、僕が親に？ こんな情けないさっきまで泣いていた、いや今も泣いている僕が父親に？ そうするときっと僕は生活費を払う義務が生じるんだ、稼ぐ力のない僕がそんなことどうしてできる？ そのてん百合子はすごいよ、トレードシステムを作って株取引で稼げるなんてありえないよ、でも彼女はそれができている、今更学校を辞めて働いたところで稼ぎは知れている、だったら百合子に力を借りたっていいんじゃないのか？ なっさけない惨めなヒモ野郎でも、両親のすねかじりでちょっと勉強ができるって思いこんでいた傲慢ちきな屑やろーだけど、上級生を妊娠させたバカヤローですって認めなくちゃいけない、後ろ指をさされたって、そんなこと今更なんだっていうんだ、どうしたらいいのかはわからない、でもしなきゃいけないことだけはわかった。
「お願いです、認知をみとめてくれますか、お父さんお母さん」
すぅーー吐息を息を吸い込み、父の公一は握ったこぶしを振り上げ、僕は殴られることを覚悟した。
ポンと僕の肩に手を当てて、
「どうしようもないバカ息子だが、それでもそれを自分で決めたんだな…………だったら力になってやる」
「お父さん！ まだこの子は高校一年生なのよ、将来を縛ってもいいの？」現実主義の母の言う通りでもある、同じ医者なのに父とこうも違うのは何故なんだろう？
「たとえ親と言えど、子供のことにとやかく言う権利はない」父親は答えた。
僕は、いや僕たちは、まだ子供で親の庇護下にあるのだ、無邪気で怖いもの知らずだった僕は興味本位から小学生の百合子に手を付けたけど、もう戻れないところに来ていたことにこの時初めて気が付いたんだ、百合子も無敵だったからなおさら深刻なことになった。
百合子は下校後、僕の部屋に来てよくPCを弄ったり時々勉強の復習をするようになった、姉に会いたくないというのが建前だったけど、ホントはやるのが好きだったからだ、やった後友達と遊んだりもするしいたって普通の女の子には見えるけど、
「百合子後で参加するから、向こうでドッジボールしてきなよ、僕はお姉ちゃんと話さなけりゃならないことあるから」
「うん、後で絶対に来てね！」
「仲がよさそうでよかったわ」お腹を膨らませたさやかが妹を見てつぶやく
「つわりの時はごめん、テストでお互い忙しかったからって駄目おやじだな」
「学校に掛け合ってくれたんでしょ？ 忙しかったならそんな言い訳しなくてもいいのに…………」
さやかは安定期に入り、だいぶ落ち着いていたが、その前の荒れようと来たらすごかった、学校に弁護士を通じて申し入れる前だったけど、さやかの父親がすぐに僕だとばれてしまうのもしょうがなかったけど、授業中泣き崩れることが度々あって、そのたび僕は一緒に保健室に行くことになったけど、「こんな妹とやったところに来ないで」ってひっぱたかれることも何度もあった、でもそこを去ろうとすると、「見捨てるつもり」って泣かれるし、子供を持つってこんなに大変なことなんだと思い知らされた、学校では同級生が腫物みたいに扱うし、それでもさやかは生徒会長を全うして、どうにか出産以外は学校に来れることになった、弁護士に費用を工面してくれた父には感謝しなければいけない。
「妹のスマホ、私の妊婦姿見たでしょ？」妊娠30週のお腹を抱える彼女だ、
こくりとうなずく、乳房が大きくなり黒ずんで大きくなった乳頭なども目に焼き付いている、膨らむお腹に僕の子供がいるんだって、
「私の画像でオナニーした？」
ドキリ
「な、なにをいって、る、か」
「してないの…………？」
どうしてこんなこと聞かれなきゃならないの？ 百合子もなんでそんな画像僕に見せるかな？ 欲情するに決まっているのに、オナニーしたのかってしたに決まっているじゃん、僕の元彼女だよ！ 百合子が聞いたらなんていうのかな、それでも別れても百合子が小学生だから好きだと思っていたけど、百合子自身も好きだし、さやかだって好きなんだ、あなたとはもうこれっきりなんて言われても、けんか別れしても忘れられることができなんだ、
「し、し、…………しました」百合子を抱いた後でも、そーゆうことをしていた僕だった、
「ほんとに？」
僕の顔をのぞきこんでくる、うわしらけ切った表情がこわい
「このド変態」そう悪態をつきながら、ちゅっとキスされたんだ、
「えっ」
「あーーこれじゃ百合子がかわいそうじゃない？ あっほら、百合子が手を振ってる、一緒にドッジボールしてきたら？」
小学生の中に高校生が混じるのってどうかと思うけど、いたたまれなくって僕はその輪に入ることにした。