女らしく【17】『霊剣と妖刀とすれ違い』-9
「…はぁ…はぁ…」
急に脱力感が全身を襲う。
「…終わりましたわね」
禍暁からの妖気が絶たれ、周りの器物が沈黙した。
「大丈夫デスカ!?」
博士達が戻ってきた。
「…疲れた…大和、手ぇ貸して…」
その言葉に大和が笑って手を差し延べた時…
視界の片隅で何かが動いた。
大和の顔が途端に険しくなり、瞬時に背を向けると両腕を横に広げた。
何が起こったんだよ…
何で大和が倒れてんだよ…
何で…何でこんなに目の前が紅いんだよ!
頬を暖かな紅が撫でる。
カランッと乾いた音を立て、最後の抵抗をした禍暁が折れた刃を落とした。
「大和!大和ぉ!おい、!何、寝てんだよ!!起きろよ!おいっ!!」
慌てて大和に駆け寄る。
大和の顔が苦痛に歪んだまま、肩から脇腹に掛けて切り裂かれている。
「揺らすな!」
博士が詩乃にミリィの身体を預け、白衣を脱ぎながら走ってくる。
「晴樹、奏!救急車の手配、及び学園へ連絡!」
大和の傍らに控えた博士が白衣を破りながら、素早く大和の身体に巻き付けていく。瞬く間に白衣が紅く染まっていった。
その数分後、けたたましいサイレンと共に異形専門の救急車が駆け付け、大和は搬送されていった…
【期末試験実技、終了】
続く…