one-sided love*a memory*-5
人は違うけど…仕草とか…似ている…。
やっぱり、コイツは……。
……いや、何でもない…。
…でも
もう一度…会えたなら…。
クッキー…作るか……。…春揺が。
俺は、目を細めて、笑った……――。
「…ねぇ、ハユ…。クッキー…食べたいな…。」
……――――――――
『チユル、新しい家族だよ!』
それは、涼しい涼しい秋の日。笹川家に、新しい家族が増えた。
『んわ…これぇ…ちっちゃぁ…。』
『だろっ、名前は何にしようか?』
『秋に生まれたから、アキとか?』
『母さん、単純過ぎやしないか…?なあ、チユル。お前は何がいい?』
くしゃくしゃと、父親はチユルの頭を撫でながら聞いた。
『チユは………ハユルがいい!』
『『ハユル?』』
小さな小さな男の子は、満面の笑みを浮かべて言った……―――
『うん!だって…』
『『…?』』
『このちっちゃぁいの、春揺(はるゆ)に似てるもん!』
〜end〜