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【学園物 恋愛小説】

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find out-1

今年もこの季節がやって来てしまった。

「第二十四回友好かくれんぼ大会ー!」

 全校集会で体育主任の前田先生が拳を突き上げて叫ぶ、そしてやる気満々の奴は意味のない雄叫びをあげ、ない生徒からはブーイングが上がる。ちなみに俺はもちろん後者である。

「うるさーい!」

自分でそうなるように煽ったはずの先生が注意し、少し静かになる。

「えー、今年から入った一年生はまだ何も聞かされていないはずだな、だから説明しよう、ここの高校に入ってきて本当に良かったな、運がいいぞお前ら。」

いや特に良いとは思わないな、一年なんか困惑している様子だし。

「題名のとおり、違うクラスとかくれんぼしてもらう、これは我が高校恒例の行事だ、ルールは実際に始まる前に説明する。んっ?そこのお前!そんなにめんどくさそうな顔をするな!いいか、かくれんぼというのはな・・・」

「あーあ、始まっちまったよ、こうなると後三十分は話続くな」

すぐ前で並んでいた蓮は綺麗に回れ右をして俺の方に向いた、(自称)かくれんぼ王の蓮はどことなく嬉しそうだ。

「なんでかくれんぼなんだろうな、全くくだらない」

「そうか、俺は結構面白かったぜ、去年の時とかさ、歩が面白くなかったのは一番最初に見つかったからだろ?」

「だって隠れなかったからな、あんな事に俺は体力を使いたくない」

隠れなかった、じゃなくて隠れる場所が先に取られたり、いい場所がなかったりで、隠れなかったんだがな。

 「でも俺の聞いた話では今年は少し去年とは違うらしい、去年は学校内だったが、今年は裏山でやるとか何とか」

 「マジで、余計に体力使うじゃん、学校内でも結構疲れんのに」

学校休もうかな、と思った矢先。

 「学校休みは駄目よ、わかってんでしょうね、歩」

今度はすぐ隣で話を聞いていたらしい織華がツッコんできた

「織華はなんでもおみとおし〜」

「うるせーよ、分かってるって」

チッ、やっぱりなんか見通されるし。

織華は本当にカンが鋭いヤツだ、そのおかげで助かった時も結構あるが、悪い事まで言ってしまうのが欠点、それさえなきゃ結構いいんだけど。

「なに人の顔じろじろ見てんのよ、またどうせ、余計なこと言いやがって、とか思ってんでしょ」

本当に思っているからなかなか反抗できないのが悲しいところだ。


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