find out-9
「どうした、俺の顔になんか付いてるか?」
「そんな何も付いてないよ」
そうか、ならいいけど、織華にも付いてるぜ」
「えっ、何が」
少しアタフタとする織華、やっぱり変だ、いつもなら心読まれてすぐ嘘だってばれるのに。
「なぁお前、なんか隠してるだろ」
「えっ!?」
声がひっくり返った、分かりやすいヤツ。
「なに隠してるんだ?なんか今日の織華は全然冴えてないぜ」
「わ、私だってそういう日くらいー」
「あるのか?じぁあ病気でもしたか?」
「・・・・」
織華は黙ってしまった、少し攻めすぎたかなぁ。
「悪い、少し悪ふざけしすぎたな」
「・・・・」
織華は黙ったままだ、どうするかな。
「歩」
いきなり話出すから、少し驚いた。
「な、なんだ」
「私話すから、聞いててね。」
織華は泣きそうだった。
「私、今日引っ越すんだぁ」
「はぁ?!」
さっきより驚く、なんで、そんなの初耳だし!
と文句言おうとしたら、先に止められた。
「私の話、終わるまで話さないで」
手でゆっくりと制され、話せなくなった。
「今うちの親、ロシアに出張してるんだよね、でさお父さんがロシアの店舗の専属になったらしくてさ、あっちに住む事になっちゃった。」
ここまできたら、織華はもう泣き出していた。
「でもっ、ね?昨日あゆ、あゆむに、ヒクッ、あんなこといわれたらね、いいだせないよ・・・」
織華は突っ伏してしまった。
突然の告白でどうしていいのか、正直分からなかった、織華がいなくなってしまうという事実だけで精一杯だった。
「ねぇ」
織華が泣きじゃくりながら話す。
「わたし、こっちに、こっちに居たいよ。みんなとー、歩といたいよぅ!」
最後はもう叫びだ。
もうかくれんぼどころの騒ぎではない、織華をここに居させたいと気持ちは蓮も絵実を同じだろう、それだったら俺のやるべきことは一つ。