第二十一章 宴(うたげ)-6
「そこで・・・本日のメインの品です」
藤本さんが一本のビンを取り出した。
「へぇー・・・まだ、変わった酒があるんすか?」
秋生の問いに、藤本さんが笑みを浮かべる。
「では、秋生さんから召し上がってみてください」
そう言うと、小さなショットグラスに赤い液体をついでいく。
ビンは凍らせてあったのか霜がはっていて、トロリとした液体がグラスに満たされた。
「グッといってください・・・・グッと・・・」
進められるままに飲む秋生の喉が上下した。
暫らくは無言だったが、すぐに大きな声を出した。
「ああっ・・・
やっ・・やべぇっ・・・うわぁっ?」
その様子を、かおりさんは笑いを堪えて見つめている。
「どうです・・・効くでしょう?」
勝ち誇ったような声で藤本さんが言った。
「スッポンの血、これが最強です・・
さ、皆さんも・・・」
促されて飲むと、冷たい感触が喉を通った後、刺激が炎のように胃からせりあがってきた。
映見も少し飲んだだけで、むせるように咳をしている。
「こ、これは・・・効く・・・」
新藤さんも両目を大きくして呟いている。
「これで本日の疲れを癒していただければ、幸いです」
藤本さんも飲み干した後、嬉しそうに続けた。
「男だけが精気を使っているわけではありません。
むしろ、女性の方が
エクスタシーの強さからも補給が必要なのです」