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そこにいる。
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そこにいる。-1

壊れるのなんてすごい簡単。

…例えるなら、あたし達の関係は砂浜で作った砂の城。
高く高く積み上げて、水で固めて形を整えて、貝殻や石で飾り付けたりして。
そうやって、何時間もかけて完成させたのにも関わらず、壊されるときは一瞬。瞬きをしてしまうと、壊される瞬間も見れないほど、一瞬。

そう、あたし達の関係は何て脆く、何て儚い。

「まじウザイし!死ねば?」
「つーかあんたと友達だっけ?」

冗談だってことはわかってる。
それでも、あたしの心はそういうことを言われる度に、少しずつ少しずつ傷ついていく。

でも、あたしは何も言えない。
独りになるのが怖くて、何も言えない。

時々不意に泣きそうになる。
どうしてあたしはこんな性格なんだろう。
どうしてあたしがこんなことを言われなければいけないんだろう、と。

でも、あたしは何も言えない。
結局、独りが怖いから。

漫画みたいな強い女なんて、実際早々いるもんじゃない。
女はいつも群を成す。
群の中で、自分の立場を確立する。

…それが壊れるのなんて、すごい簡単。
キレて何にも話さなくなったらそこでアウト。
元通りになんて戻れない。
反撃なんてしようものなら、あっさりと切り捨てられて独り群を去らなければならない。
それが怖い。

怖いんだけど、傷ついてるんだけど、やっぱり楽しいからそこにいる。

笑い合えるから、そこにいる。



あたしは何も言えない。
独りが怖いから。


あたしは何も言えない。
結局、皆のことが好きだから。


あたしは、どうしようもない生き物なんだ。


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