第二十三章 香奈子様へ その2 (初めてのフェラチオ)-8
『は・・い・・・・』
男を見上げる香奈子は素直な声で返した。
ひざまずいている従順なその姿に、改めて敗北感を味わうのだった。
『ふぅ・・・ん・・・あはぁ・・・』
映像の中の自分は、視線を離すこと無く男を見つめたまま亀頭を口に含んでいる。
チュパチュパと音をたてて味わう内に、貯まった唾液が唇の端から滴り落ちて白い肌を濡らしていく。
『おおっ・・・おおおっ・・・』
そのエロチックな姿に興奮した男は、香奈子の髪をかきむしるように身体を仰け反らせた。
『すっ・・・凄いっ・・・・』
『あむぅっ・・・むみゅぅ・・・んん・・・』
頭を押さえつける男の手の重みを感じつつ愛撫を続ける香奈子は、膨張する自分の欲望を止める事が出来ず怖くなってきていた。
(美味しい・・・美味しいのぉ・・・・)
男のムッとする体臭とザーメンの生臭い味が、汚されていく快感をより増幅させる。
『おおおっ・・・か、香奈子ぉ・・・
ああ、いいっ・・・』
ジェスチャーではなく、竹内は本気で感じていた。
一種のトランス状態に陥った香奈子は、夢中になってペニスを味わっている。
その姿は、誰もが憧れの眼差しで見ていた令嬢だとは到底思えない。
『あはぁっ・・はぁっ・・・あああっ・・・』
コックから唇を離しても熱い息を吹きかけながら、ジッと男を見上げている。
『ああ・・・・・あああっ・・・』
両目から涙が溢れ、滴り落ちている。
『わたし・・・・いやらしい・・・・』
途切れ途切れに、切ない声を絞り出していく。
『でも、凄く感じる・・・・
ああ・・・いやぁ・・・いやぁ・・・』
うわ言のように呟く香奈子は、自分が何をしているかも判断出来ないのかもしれない。
『むふぅっ・・・んぐっ・・・んんっ・・・』
再びコックを咥え、ジュルジュルと唇を滑らせる。
『おいひぃっ・・ああっ・・・はぁっ・・・
美味しいっ・・・』
崩壊した理性は、暴走する事によってバランスを保とうとしていた。
竹内は、今が洗脳する絶好のタイミングだと思った。