第二十三章 香奈子様へ その2 (初めてのフェラチオ)-5
(ああ・・・この匂い・・・)
ケダモノじみた男の体臭を吸い込みながら、改めて自分の淫乱な姿を意識している。
体内にザーメンを放出された後は頭の中が真っ白になって、いつの間にペニスを咥えていたのか覚えていなかった。
だが、今は違う。
媚薬の効果で興奮した身体は、官能を貪った後も更なる快感を求めていた。
理性の奥に隠されていた、自虐的な本能が呼び覚まされていく。
屈辱が、心地良く感じ始めていたのだ。
(わた・・・し・・・咥えたい・・・)
欲望がシンプルに浮かび上がる。
口を開けてコックをほお張った。
ひざまずいたまま背伸びするように両手を男の腹に当て、ペニスに覆いかぶさりながらズブズブと飲み込んでいく。
『ふっ・・・ぐぅ・・・んっ・・・』
亀頭の感触を確かめるように、ゆっくりとなぞっている。
『おっ・・・おお・・・・』
意外な行動に竹内は声を漏らした。
香奈子は嫌がるどころか、自らすすんで愛撫しだしたのだ。
『んぐぐぅ・・・・』
苦しそうに顔を歪めながらも、喉の奥まで飲み込んでいく。
積極的な態度が、女の変化を如実に表していた。
竹内の目が鋭く光った。
『おおお・・・ああ・・・・』
わざと大げさな声を出してやる。
チラリと見上げた女の表情が嬉しそうに見えた。
咥えやすいようにコックに手を添えてやり、もう片方の手で頭を抱えるようにして動かせてやると、素直に唇を滑らせ始めるのだった。