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らぶすとぅりぃ*出会い
【コメディ 恋愛小説】

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らぶすとぅりぃ*もし世界にあんたとあたしと金正日だけが残ったら-2

それを見て、なにやら満足そうに笑みを浮かべる美和子。
「そう。なら話は早いわね。そういうことだから、佐伯くん。櫻庭さんに色々教えてあげてね!櫻庭さんも、わかんないことがあったら佐伯くんに何でも聞きなさい。」
にこっと爽やか(そうな)な笑顔を見せる美和子。
「それじゃ、今日は委員会のことだけにしておくわ。わざわざ来てもらってありがとね。」
と、苺ミルクの飴玉を受け取った二人は、RPGゲームのように一列に並んで職員室を後にした。
「失礼しました。」
「失礼しゃーしたー。」
ほぼ同時に発せられた声。ここでも和哉の美声(ただの大声)はかなりの注目を集めた。
がらっ。
職員室のドアを閉めた和哉は、隣にいるであろう栞になんと話しかけようかとしばし頭を悩ませた。
《うー、ここはもう当たって砕けろだ!》
「あの!櫻庭さ…」
勢い良く隣に向きかえってみる。が、栞の姿はない。
「あ、あれ…」
和哉はキョトンとその方向を見つめていると…
「…なんですか?」
「え?」
背後から声がした。もしや、と思い、恐る恐る振り返る。
いた。
あろうことか、和哉は左隣にいた栞に気付かず、右隣を向いてしまったのだ。
栞はすごい顔をしている。
何だこいつふざけてんのか馬鹿なのかいい加減にしろ的な眼差しを投げかけてくる。和哉はもう冷や汗ダラダラだ。
「あ…あの…、さ、さっきは…」
「は?!」
早く喋ろと言わんばかりに凄んできた栞に、更なる恐怖を感じる和哉。
「で、ですから…、さっきのあの自己紹介のとき…その…」
チラチラと栞の様子を伺いながらちまちま話す和哉に、栞はイライラしっぱなしだ。腕を組み、右足をとんとんと踏み鳴らしながら、大きな溜息を漏らす。
「…早く喋りなさいよね…。このチビクロサンボが…。」
耐えかねて、栞がボソッと呟いた。
「…チビクロサンボ…?」
その呟きに和哉がピクリと反応を示した。
「おい…、それ俺のことじゃねぇだろぉな?」
さっきとは打って変わって、なにやら怒りの炎を瞳に宿した和哉が、唸るような低い声を発した。
「あんた以外誰がいんのよ。」
フンッと鼻を鳴らす栞に、和哉の何かが音を立てて切れた(みたいだ)。
「んだとぉ!人が下手に出てりゃ何でもかんでも言いくさりやがって!身体的特徴でも言って良いことと悪いことがあんだろぉが!クロンボならまだ許せっけどよぉ、チビクロサンボは許せねぇ!」
一際でかい声で和哉が怒りの咆哮を響かせた。
「うるっさいわねぇ!職員室の前ででかい声出してんじゃないわよ!じゃああたしだって言わせてもらうけど、あんたの声でかすぎんのよ!何あの笑い声は?!どこのボイトレ通えばそんなにでかい声が出んのよ!つぅか何?つぅか何?!謝ろうとしてんならさっさと謝んなさいよ!そんなとこでどもられたら許す気も完全にうせちゃうでしょうが!」
一息に全てを吐き出した栞。ハァハァと肩で息をしている。
そんな栞の言い分を聞き、更に怒りが込みあがってきた和哉。
「…んだよこのさんまさん女!もし世界にお前と俺だけが残っちまっても、絶っっっっっっ対!お前と一緒になんかいねぇって誓える(?)!てゆうか死ぬ!お前残して死ぬ!」
「はっ!あたしがもし世界にあんたとあたしと金正日だけが残ったら、金正日くどき落として結婚してあんたんとこに標準あわせてあるだけミサイル攻撃しかけてやるわ!」
勝手に死んでろ!と言わなかっただけ、栞も成長したと思うが、…金正日は果たしてその時ミサイルを持っているだろうか。
ちなみに、もし本当に金正日と自分だけが残されたら、私なら自害するかもしれない。
「もう二度と話しかけないでよね!!」
「それはこっちの台詞だ!」
フンッとそれぞれ踵を返し、ドンドンと大袈裟に床を踏み叩きながらそれぞれ教室に戻った。
まぁ、教室に行く頃には一緒になってるかもという考えは、残念ながら二人にはない。
果たして二人はこれからどうなるのだろうか。
これは本当にラブストーリーになるのだろうか。

キー○ン○田風に言うと、『後半に続く』


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