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月の裏側
【調教 官能小説】

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初夏-1

美月は、迷っていた。
間違いなく、美月も祐を求めていた。
しかし、いくつかの不安が美月を止めていた。
セックスレスとはいえ、夫がいること、同じ会社であること、そして、一回りも下であること。

一番の悩みは、やはり年齢差であった。
若い頃のスタイルは保てない。崩れてきた身体を32歳の祐に見られるのは、抵抗があった。

しかし、祐は譲らなかった。会いに来るという。
どれだけ止めても無理だという状況に、美月は観念して新大阪のシティホテルの予約を入れた。
祐を待つ間、これが最初で最後だろうと考えた。

ゲームの中で過ごしているから、歳や姿のことを忘れているのだろうとも思う。何年も彼女がいないと言っていたから、ただやりたいだけの可能性も高い。実際、美月を抱けば、きっと歳の差を感じ、覚めて東京に帰るだろうと、逢瀬の結末を予想した。

新幹線はホームに滑り込み、Tシャツ姿の祐が現れた。あらためて見る祐は、ガッチリとした体型で、カジュアルな服装だと年齢より若く見えるくらいだった。初夏の日差しの中、2人は並んでホテルまでの道を歩いた。

言葉が出てこなかった。
ただ黙って歩いた。
そして、部屋に入った。


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