第二十章 不安(画像付)-4
着替えをすました後はキッチンで朝食の支度を始めた。
窓から朝焼けが見える。
薄い紫とオレンジ色が混ざって、何ともいえない爽やかな風景だった。
「綺麗・・・まるで・・・」
何かに例えようとするのだが、思い出せなかった。
それでも、今までに無い安らぎを感じた。
「お早う、ママ・・・」
「お早う、圭ちゃん・・・・」
背後からの声に笑顔で振り返った。
「身体・・・大丈夫?」
「えっ・・・?」
「覚えてないの、ママ・・・?」
圭子が意外そうな顔で聞いた。
「昨日の夜、声をかけたのに・・・」
「あら、そうだったの?」
「じゃあ、ぐっすり眠っていたのね」
「そうみたい・・・おかげで気分がいいの」
「良かった・・・
カゼでもひいたのかと思っちゃった」
「心配かけたみたいね・・・ごめんね」
二人は何事もなかったかのように、食卓についた。