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人妻ハメ好きの友人
【熟女/人妻 官能小説】

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変わらぬ筈の夫婦関係-1

 瀬尾岩之助は、ダイニングテーブル越しに妻と向き合って夕食を味わっていた。

 岩之助の格好は背広を脱いでワイシャツ姿だ。もっとも、着ているのは会社での一件を誤魔化す為に予備の方だが。

 時刻は19時を回ったところで、普段ならこの時間帯はまず家には居ない。この日は珍しく早帰りで、文字通り本当に久々となる夫婦の夕食の時間である。

 これまで大した会話をしてこなかったせいか、テーブルの間には少々の緊張感に包まれている。

「ごめんなさい、今日はちょっと用事で忙しくて冷凍食品がメインなんです」

「いや、別に構わん」

 テーブルに並んでいる品々は白ごはん、冷凍餃子、ひじきの煮物、白ネギの味噌汁。

 出された料理の半分はレンジで温めた食品が中心だった。

 とはいえ、今の時代ならば冷凍食品のクオリティーは年々上がっているので手作りとそう変わるものではない。むしろ手作りの料理する側の癖がないので万人受けしやすいメリットもあるのだろう。 

 岩之助は料理を眺め、その流れで向かい合う妻の方を眺める。妻の小夏は相変わらず美しい。里夢と比べたら月とスッポンだ。

 肌艶も結婚当初よりも明らかに良くなった。というよりも、改めて見てもキレイだ。これでは周りの男達も放っておかないだろう。

 ハニーブラウンのショートカットにクールな印象の彼女は、スタイルも良い。着ているグレーの半袖のリブニットにネイビーブルーのデニムも見た目に映えて、色気を上げる要因になっている。

 それでも、里夢は若いからもしかしたら小夏のように美しくなる可能性は残っている。だが、それでも岩之助は小夏に、自分の妻に容姿で勝てるとは岩之助は思えなかった。

「ん?どうかしました?」

 視線に気づいて、小夏が尋ねる。

「‥‥いや、何でもない」

「?そうですか」

 岩之助のそっけない態度に小夏は特に動じることもなく、ひじきの煮物に箸をのばす。

「(すまない小夏‥‥)」

 胸中で岩之助は謝罪する。

 叶うなら今日にでも小夏の身体を抱きたいと思っているのだが、脳内で部下の里夢の小憎たらしい顔が思い浮かんできて罪悪感から何も言えなくなる。

 今日はその里夢は抱いてないワケだが、彼女の口紅が付いたワイシャツは帰る途中でクリーニングに出してある。今着ているのはワイシャツは予備用で帰る直前に初めて着た。

 対して汚れてもいない洗濯物として出すのは水や洗剤がもったいないと思うかも知れないが、岩之助にとって些細なことであった。何故ならば里夢との関係が知られたくないので、何度も同じように妻に着ていないワイシャツを手渡してきたのだから今更な話である。

 ――そう。何度も、自分は着ていないワイシャツを手渡した。

 岩之助は自然と箸を握る手が強くなる。自分で考えたことだが、何故夕食時まで里夢のことなど考えなければならないのだろう。

 ただでさえ、上司と部下という立場で悩むことはあるのに家に帰って来てまで悩みたくはなかった。

 岩之助は堪らず妻へ話題を振った。

「‥‥今日は買い物に行っていたんだろう?どうだった?」

「今日ですか?久々に楽しくて良い買い物ができましたよ。良い物買えましたし」

「そ、そうか‥‥。ならいい‥‥」

 岩之助は楽しそうに話す小夏の顔が見れず顔を俯く。そして、それ以上会話が続けられず、食事に集中してだんまりを決め込む。

 沈黙の空気が夫と妻の間に流れる。

 普段、というよりも家に居る間は会話が無いことは日常茶飯事である。だから大したことでも話したことがない。

 そんなことが数年続いていたのだ。今話せ、と言われてすんなり話せる方がおかしい。 

 会社での一件から小夏の顔が見たくてしょうがないのは嘘ではない。叶うなら小夏に全てを打ち明けて楽になりたい気持ちはある。

 しかし、岩之助はそれは出来なかった。小夏は許してくれるかも知れないが、他のこと全てが明るみになるのは自分のプライドが許さない。
 
 口に出さなければ何も変わらないというのに、岩之助はそれを分かっていながら言うことが出来ない。

 岩之助は、言う気も勇気も無い自分に嫌気が差しながら、お皿の餃子に箸をのばす。口へと運んだ餃子の味は美味しかったが、これからのことを考えるとその旨味は広がる前に不安と共にすぐに薄れていった。


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