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人妻ハメ好きの友人
【熟女/人妻 官能小説】

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母の妙な勘-2

 睦美は思い切って尋ねる。

「遥太、あんた人には言えないような悪いことをしてるんじゃないの?」

「‥‥悪いこと?なにそれ」

 母からの問い掛けに遥太は目が点になっている。その顔は「一体何を言っているんだ」とでも言いたげだ。

「だから、非行に走って似合っていないリーゼントにするとか‥‥」

「いつの時代だよ。ってか、リーゼントじゃないでしょ僕の髪型は」

 確かに遥太の言う通り髪型に変化はない。地味な髪型のままだ。ついでに顔も。

 どうやら自分の思い過ごしのようだ、と睦美は内心でホッとする。

「‥‥あ、そうだ。母さんに渡すのあったんだ」

 遥太はそう言うと一旦踵を返して台所を出る。10秒も経たない間に戻って来た遥太は、背に何かを隠して持っている。

「これ、今日貰ってきたんだけど」

 睦美の前に遥太が差し出したのは星柄の包み紙につつまれた四角形の物体だった。

 受け取った睦美は星柄の包み紙をビリビリと破って開けると、中から出てきたのは一枚のサイン色紙だった。

 そこには独特の斜めの書き方で、潮凪元也とフルネームで書かれている。

「えっ‥‥?これって、もしかして元也様のサイン色紙!?」

 潮凪元也のファンである睦美は、知人宅の家で一度現物を長時間見ていたので即座にそれが本物だと判断出来た。

「あ、それサイン色紙だったんだ。前に話したの覚えていたからくれたんだ‥‥」

 遥太はどこか納得して呟くが、サイン色紙に見惚れていた睦美の耳には届かなかった。

 暫く眺めてから、睦美は息子に尋ねる。

「どこで貰ったのこれ!あっ!?まさかどこかの家から盗んで――」

「違うってば!」

 睦美の物騒な推測を、即座に遥太は否定する。

「友達から貰ったんだよ。前に母さんがファンだって言ってたの話をしたら譲ってくれたみたいでさ」

「そうだったの‥‥」

 自分の好きな潮凪元也の(サイン色紙)前で息子を疑ったことがファンとして恥ずかしくなる睦美。自分の浅はかさに打ちのめされそうになった彼女は、サイン色紙の送り主に感謝の言葉を直接伝えたくなった。

「ねぇ。今度そのお友達連れて来てよ」

 サイン色紙をくれた友人に、と睦美は息子に頼み込む。

「えっ!?家に連れて来るのはちょっと‥‥」

 遥太は頬を指で掻きながら、明後日の方向を見る。

「え、駄目なの?直接会ってお礼言いたいんだけど‥‥」

「う、うーん。ちょっと難しいかな。だって友達っていっても僕のセ――」

 遥太はそこまで言って急に口ごもる。

「ん?僕のセ、何?」

 睦美に尋ねられると遥太はテンパった様子で、

「あっ!?え、えっと‥‥!とにかく!それあげたから!じゃあね!」

 会話を途中で切り上げると遥太は踵を返し、慌てて台所を飛び出す。

 残された睦美は遥太の後ろ姿を眺めながら、

「(あの様子じゃ、どうやら本当に問題なさそうね)」

 どうやら自分の心配事は杞憂だったようで、ホッと胸を撫で下ろした。

 心配事がなくなると、今度は手に握ったサイン色紙の方に意識が向く。しっかりと握ってしまった為に、今更ながら指紋やら手垢を付けてしまったことに気づく。

 しっかりと拭いた方が良いのだろうかと、保存方法を後でネットで調べようと思いながらじっとサイン色紙を眺めていると、ありもしない幻聴が聞こえてきた。

『睦美さん。自分の息子さんを信じられる貴方は誰よりも優しく、聡明で美しい女性ですよ』

「は、はい!元也様!私信じます!我が子を信じます!」

 サイン色紙に向かって敬礼のポーズを取る睦美。

「あ、いけない。これちゃんと丁寧に保存しないと‥‥エヘヘっ」

 睦美は酷いニヤけ面を浮かべると、遥太に遅れて台所を出て行く。その足取りは今にもスキップしそうなくらいに軽やかであった。


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