愛はふたりぼっち-2
「ひぃっ」
跳ね上がった莉緒奈の腰は結城の体重に伸された。
しかし、引火された官能は蜜液を醸造し、ますます膣壺を濡らした。
そこへ、すかさず結城の牡が突入。
塞がれたままの艶声が喉元で蠢くまま、莉緒奈は毛布の中の媚態を撮影現場の者に知られぬよう、腰を落ち着かせるのに必死だった。
カメラの向こうに映るキスや愛撫は、すべて演技の範囲内。
だが、ふたりの下半身は、擦り切れた毛布に遮られたまま。
まさか、むき出しの性器が結合しているとは誰も予想だにしないだろう。ましてや結城は名優だ。
ジュクグシュンジュクグシュッ
恥ずかしい蜜音までマイクに拾われるのを恐れながらも、莉緒奈の官能はより刺激的に膨れ、加速していった。
そして、爆破。
堪えに堪えた悲鳴は快感を呑み込み、凄まじいエクスタシーが花芯を襲って渦巻き、背筋へ意識へと白く飛び散った。
後を追うように、結城もうねる肉壺に精を弾けた。
「・・・カット!」
一発OK。それはものの30分だったかもしれないが、莉緒奈にとっては気が遠くなるような永遠だった。
ふらつく体に毛布を巻いて、絶賛の嵐の中を笑顔で返しながら控室へ。
マネージャーを追いやってから、莉緒奈はすぐ膣に手をやった。
まだジクジクと疼き、後始末しても痛いくらいだ。
すると、携帯の着信。
液晶に映る結城の名前に怯みながら出ると
「20時に、Tホテル2411号室へ来なさい」
「何のために?」
「君こそ話したいことがあるだろう?」
「・・・分かりました」
Tホテル、2411号室。
ノック後、ドアを開けた結城にぐいっと引き摺られてはキス。
「嫌っ!」叫んだ隙間を追って、舌が侵入してきた。
ウエストを抱かれて密着した腰が、先程の性交を思い出させる。
「う、うっ・・・」
理性にしがみつくように・・・深い口づけから何とか引き剥がして、結城を押し退けた。
「何故なんですか?」
瞳に強い煌めきを宿して見つめる莉緒奈に、結城はふっと微笑んだ。
そして、自分の胸に置かれた莉緒奈の手を取って―――
「君は、水月莉音だろ?」
「!・・・な、何故、私の本名を・・・」
「・・・ずっと知っていたさ」
目を見開く莉緒奈の手をそっと離して、結城は夜景を映した窓際に寄った。
一息、間を置いて、懐かしそうに語る。
「もう何年になるかな・・・君は俺のファンだったね?手紙も読んだよ。ロケにも来ていたな・・・君は何から何まで目立っていた」
昔の自分を思い出しては赤面の莉緒奈を横目に、結城は更に続ける。