『beat mania UDX』より〜不夜城の仲間たち…セリカ-5
『ほい、返すで。なんかあったらいつでも呼びや?』
返された携帯のディスプレイを見ると、そこにはユーズの番号とアドレスが入っていた。
私が携帯を見ているうちに、ユーズは背を向けて階段を降りていった。
私は部屋に入ってベランダに踊り出た。
下の入口から出てきたユーズに、私は精一杯声を振り絞った。
「ありがとう、ユーズ!」
ユーズは背を向けたまま私に手を振って、帰っていった。
ユーズの後ろ姿が見えなくなった後、私はソファに座ってもう一度携帯のディスプレイを開いた。
「えへへ……」
なんだか画面を見ているのが恥ずかしくなって、そばにあったクッションで顔を隠した。
なんか胸の奥が熱い。すごく速く鼓動を打っている。
私、ユーズが好きになっちゃったのかなぁ……。
今まで、一目惚れとかって私には縁のないことに思えた。
それに、今まで恋という恋を私はしたことなんて無かった。
遅れてたっていい、カッコ悪くても構わない。
もっとユーズと一緒にいたい……!
〜〜♪
急に持っていた携帯から音楽が流れ、私は画面を操作した。
見ると、ユーズからのメールだった。
《また今度、一緒に遊ぼな?仲間たちも紹介したるから》
私は直ぐに返事を返して、夕飯の準備を始めた。
こうして、不夜城にまた一人仲間が増えた。
次にやってくるのはどんな子なのか、それはまた別のお話……。