川本真琴より『1/2』-4
ほら、聞こえる?
私の心臓の音。
君の心臓の音。
温かいリズム。
重なって、またずれて。
ほら、だんだん同じ音を刻んでいくでしょう?
こんなに唇を絡ませあったって、瞳も、指先も、君と私がいくら背徳的な行為に及んだって、神様は何も禁止なんてしてない。
こんなに愛してる気持ちを、君に、私に、伝える方法はもっと他に無いのでしょうか?
ああ、いっそ神様、私を罰して下さい。
全然こりないんです。
こんなに胸が苦しくて、切なくて、パンクしそうなんです。
私、全然大人になれないんです。
君が好きで。
本当に……それだけで。
大人になったら忘れてしまうのでしょうか?
この痛み、忘れられるのでしょうか?
涙を流したら、キスを下さい。
寂しくなったら、抱き締めて下さい。
逢いたくなったら…………
恋する力に魔法をかけて
太陽がずっと沈まない様に
FIN