妻を他人に (5) 妻の下着-5
その後ひと月ほどの間に、私はゆきの下着をさらに二度Zに貸し出した。
精液でドロドロに汚され返却されるショーツに舌を這わせるごとに、ゆきの貞操観念は少しずつ、ゆっくりと崩れていく。
「すごい、またいっぱい出されちゃった」
「ほんとだ、まんこからお尻の方までべっとり」
「匂いも嗅がれちゃったのかな」
「うん。匂い嗅がれていっぱいエッチな想像されたはずだよ」
「んふふ、恥ずかしいね」
ゆきの鼻先に下着の股間部分を近づける。
「んん……もう……またエッチな気分になっちゃうよ……」
こんな発言、少し前のゆきなら考えられなかった。この女は、自分が何を言っているのかわかっているのだろうか。「私は夫以外の男の人の精液の匂いを嗅いで、セックスがしたくなってしまいます」と宣言しているんだぞ。最高だ。
「いいよ……エッチなゆき見てみたい」
「くんくん……ぁあああ、なんかエッチだよぉ……」
「可愛いよ……すごくいやらしい」
「くんくんくん。ぁああだって………………」
私が口元にクロッチ部分を押し付けると、ゆきは舌を出し、Zの精液をペロリと舐める。
はじめは下先でチロチロと感触を確かめるように。
「ふふふ……ねぇ、そんなじろじろ見ないで……」
いたずらっぽく私を見てはにかむ。どこまでしていいのか私の顔色をうかがうような視線だ。
こうして最初は照れているくせに少し言葉で煽ってやるとスイッチが入る。ゆきはそういう女なのだ。
「すごいいやらしいよ、ゆき…………」
徐々に深く、丹念に、付着した精液をこすりとるように舐め上げるゆき。
「んん………………ペロ……んん………………ペロ………………ペロペロ………………」
人妻の隠された顔。
たまらず私はゆきに覆い被さり、正常位で挿入した。
「んん……っ」
キスをする。顔を横に背けるゆき。
「ん……っ……だめ……Zくんの……舐めてたんだよ」
「今さら何言ってるんだよ。そのはしたない口をよく見せて」
「いいの……? こんなお口なのに」
「他の男の精液をなめ回したばかりのゆきとキスしたい」
私はゆきの頬に両手を添え、口を開かせる。
ネチョ――。
愛する女の唇と歯の間に、他の男の精液が糸を引いた。
私はそれを指ですくいとり、妻の舌になすりつける。
「んぐ……っ、ぁ……む……」
ゆきの花芯の奥から熱いものが溢れ出し、ペニスの先端を包む。夫の陰茎を愛液で満たしつつ、他の男の汚濁液を舐め取り、嚥下する妻。
十数年を共に過ごした夫の精液は一度たりとも舐めたことがないくせに、たったひと月でいったい何度、Zの精液を舐めたのか。いったい何億匹の「精子」が、妻の体内に取り込まれたのか。
「あぁ! ゆきぃ……!」
「ん、んん……っ」
他の男の精液はゆきの胃と腸で消化吸収され、血液に溶け、人妻の全身を駆け巡る。愛する妻のこの白くなめらかな肌にも、丸い乳房にも、薄茶色の乳首にも、茶色の瞳にも、つややかな髪にも、柔らかな頬や唇にも、膣にも、陰毛にも、愛液にも、私以外の男の精液が取り込まれているのだ。
ペニスをいっぱいに突き上げると火照った陰蜜はたちまち外へ溢れ出す。
夫婦の結合部で絡み合う陰毛から立ち上る淫猥な香りを胸いっぱいに吸い込みながら、私は妻にキスをした。
彼女の吐息から、生臭い、匂いがした。
「んぁ……はぁ……ん……ちゅぅ……」
男の精の、むせ返るような香りを発する妻の口に吸い付く。
「んんん………………ちゅぅ………………んん…………ぁああああああああ………………っ」
「ゆき……!」
「んんっ……パパ……っ」
「すごいよゆき! Zの精子舐めてこんなに濡らしてる!」
「ん……っ……ごめんなさい、Zくんの精子舐めてたらエッチな気持ちになっちゃったんだもんっ」
「Zのこと、好きになっちゃったの?」
「ぁあ……っん……ごめんなさい。ゆき、パパの奥さんなのに、Zくんのこと好きになっちゃったみたい……っ」
普段は清楚で屈託のない笑顔を見せてくれるゆき。誰と会っても「素敵な奥さん」、「可愛らしい奥さん」と言われ、ふた言目には「女子アナみたい」と評される妻。そんな女が、まるでセクシー女優のように喘ぎ、自ら尻をくねらせ、言葉責めで興奮している。初めて目にする、いやらしく、汚らしい、メスの本性。
「ゆき、辛いよ。たまらないよ! ゆきとZがセックスするところ、想像しちゃう」
「あぁあ……恥ずかしいよパパ……ゆきがZくんとしてるとこ、想像してるの? ぁあ、ぁああっ」
「してる! ゆきがZに犯されるところ想像してる! ゆきも想像して!」
「ぁあんっ……想像しちゃう……っ……ゆき、Zくんとエッチなことしちゃうのっ……パパの目の前で……っ」
「ゆき……!」
「パパァ……っ」
果てしなく高く分厚い壁のように思われた、人妻の「寝取らせハードル」が、わずかな期間で手の届く高さまで下がってきた。
ハードルの前には、しっかりとした踏み台が据え付けられ、もういつでも乗り越えられるように感じられた。