第四章 満員電車(画像付)-4
『フフフ・・・・』
男が笑っている。
(い、いやっ・・・)
『無駄だ・・・・』
心に話しかけてくる。
(いやぁ・・・・)
認めたくない。
(ち、違うっ・・・)
『違いはしない・・・圭子、お前は・・・』
(いやっ・・放してっ・・・)
聞いてはいけない。
『お前は俺の事が・・・』
最後の言葉を聞く瞬間、圭子はありったけの力を振り絞り叫んだ。
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『い、いやっー・・・』
『はぁっ・・・はぁっ・・はぁっ・・・』
ようやく悪夢から醒める事が出来た圭子は何時までも荒い息を吐いていた。
額から流れ出る汗がおぞましい余韻をなぞっていく。
震える唇には生臭い匂いまでが残っている気がした。