妻を他人に (1) 告白-6
はたして私の寝取られ性癖は夫婦の営みのちょっとしたスパイスとなり、二人のお気に入りのプレイとなっていく。
何度か繰り返すうちに私も気がついた。
妻もいつもより、気持ちよさそうにしていることに。
パンパンパンパン、パンパンパンパンパンパンパン――。
「ん、んん…………ん…………ぁ…………んふぅ…………ん…………んん…………ぁん…………」
素人掲示板で見た若き日の「ゆきちゃん」のあの痴態には遠く及ばないが、熱っぽい視線で私を見つめてくるゆき。
あまり直視するとあっという間に果ててしまうので私はぎゅっと目を瞑る。目を瞑ると脳裏に浮かぶのは他の男とデートする妻、手を繋ぐ妻、ホテルへ入る妻――。溢れ出る妄想に八方塞がりとなった私は、妻のくびれた腰に手をかけペニスを打ち付ける。
妻が背中を反らせたり、逆にしがみついてきたりするようになった。両脚で腰をホールドされると動きにくい。なのに興奮は否が応にも高まり、すらりと伸びた妻の脚を振りほどくように乱暴に腰を打ち付け、思いの丈を放出してしまう。
大量の精液が、ゆきの下腹部に、おへそに、乳房にまで飛び散っている。彼女はそれを幸せそうに拭き取り、にっこり笑うのだ。
「今日もパパ、可愛かった。気持ちよかったよ」
そうして乱れたおくれ毛もそのままに、はにかんだ甘え声で「ありがとう」とつぶやき、キスしてくれるのだ。
愛する妻のために少しでも長持ちさせたい。
そもそも正常位ではゆきのセクシーな表情が目に入ってしまうのが良くない。職場の全男性社員の「ズリネタ」にされている女性が、自分のペニスで悩ましげに顔を歪めているのだ。興奮するなという方が無理。
私は妻を裏返し、四つん這いにさせてみた。
だめだった。
清楚な人妻OLのむっちりしたヒップが大迫力で視界に飛び込んできた。おまけに左右の尻肉の中心に小さく咲く可憐な花。女性として最も恥ずかしい場所を捧げるかのごとく、健気にも尻を突き出している。肛門の無数の皺をひくつかせ、陰毛からは愛液を滴らせ、グロテスクな肉厚あわび貝がぱっくり口を開けている。夫のチンポが挿入されるのを待っている。蒸れた股間からは、人妻のなんとも言えぬ淫猥な香りがむわりと漂ってくる。
気がつけば私は粗末な男性器を妻の花弁に突っ込み、一心不乱に腰を動かしてしまうのだ。
パンパンパンパンパンパンパンパン、パンパンパンパンパンパンパンパンパン――。
「んく…………ん…………んぐ…………んむ…………ん…………ぐ…………ん…………」
大きな尻を揺らし、夫の乱暴なセックスの相手を務めるゆき。
美しく可憐で清楚な美人妻が、四つん這いで顔を枕に埋め、尻を高く突き出し、卑猥な音を響かせ犯されている。
パンパンパンパンパンパンパンパン、パンパンパンパンパンパンパンパンパン――。
「ん…………んふぅ…………んぁ…………く…………んぐ…………んんん…………ぁん…………」
結局いつもの通りまたたく間に果て、愛する妻の双丘に白濁液を撒き散らしてしまうのだ。
*
ともあれ、スローセックス一辺倒のゆるやかな営みの合間に、刺激的な夜が混じるようになった。
寝取られ性癖は、なぜだか好意的に受け止められているらしい。
こうなると私は想像せずにはいられない。
もしゆきが、本当に不倫してしまったら?
辛すぎる。でもありえないか、このゆきが不倫するなんて。
では「寝取らせ」なら?
寝取らせなら私とゆきは愛し合ったまま、寝取られ性癖の醍醐味だけを楽しめる。この頃の私は、同意の上で妻を他人に貸し出す「寝取らせ」という行為に並々ならぬ関心を示し、日夜ネットで体験談などを漁っていた。
もちろん寝取らせだって、不倫と同じくらいありえないこと。どうやったって実現不可能。それはわかっている。
想像の中だけで楽しむ、叶わぬ夢。
そもそも今だって十分刺激的なセックスができているじゃないか。それで十分じゃないか。
せめてアダルト男優のようにもっと荒々しく妻を犯せるよう、身体を鍛えてみようか。
ゆきに相応しい男になり、ひょっとしたら持久力もつくかもしれない。まさに一石二鳥。
私は近所のトレーニングジムの門を叩き、そこでZと出会う。