女らしく【14】『昼と屋台と陽の祭』-6
少し…不安だ…
あのカードはオレの心中じゃないよな?
「その前に腹減ったな♪さっき晴樹からお好み焼きとタコ焼きを出かける前にもらったんだけど食べる?」
確かに時間は遅いため腹は減っている。
「食べる!中庭の辺ならベンチとかあるぜ?」
「じゃあ、そこに行こうか」
まあ…悩んでいても仕方ないか…占いなんてあやふやなもんだからな。
芝生が敷き詰められた中庭のベンチに二人で腰掛け、遅い昼飯を食べる。
小さなベンチのため、大和に寄り添う様な状態だ♪
「美味いな♪流石、祭男晴樹だ!」
晴樹特製のお好み焼きを頬張る。若干冷めつつあるがまだ美味しい!
「マコトのタコ焼きだってかなり美味いぞ♪」
大和が満面の笑みでタコ焼きを食べている。
「ほんとか?美味いか?」
「ああ♪市販のより何倍も美味い♪」
良かった♪これならいつでも大和のお嫁さんに…♪
ふと、反対側のベンチに目を向けた。
カップルと思しき、羽の付いた異形が『はい、あ〜ん♪』とかラブラブしながらタコ焼きを食べていた。
正直、見ててイタイはずなのに…どうしても自分と大和を重ねてしまう…
ちょっと…羨ましいかも…
横の大和を見る。相変わらずタコ焼きを美味しそうに食べていた。
大和がそんなことするはずないか…
嘆息して再びカップルを見る。
「ほらっ、食べるか?」
突然、視界にタコ焼きが現れた。
「違ったか?何か向こうの奴等見て羨ましそうにしてたから、食べたいのかなって…」
確かに羨ましいと思ったけど…そう言うことじゃないんだけどな…
でも…
「ああ…ちょっとタコ焼き食べたいなって♪」
食べさせてもらうことには変わりないからいいや♪
パクッとタコ焼きに食らいつく。
「美味い♪メチャクチャ美味い♪」
自分の腕前は兎も角、大和に食べさせてもらっただけで、何故か今まで食べたことないくらい美味い♪
「それは良かった♪」
「ほらっ、こっちもやるよ♪」
箸でお好み焼きを切り崩し、大和の口許へ運ぶ。
「はいっ…あ、あ〜ん…」
やっぱり…実際にやると恥ずかしかった…