第十四章 手作りランチ-6
「そして、最後に・・・」
藤本さんも妻の手を握り返し、言葉を放った。
「自分の妻、夫と・・・
セックスするのです・・・」
「す、すごい・・・」
裕君が声を漏らした。
私は喉がカラカラになり、コーヒーを飲み込んだ。
苦味が口中に広がる。
同時に歓びが体中を包んでいく気がした。
私の望んでいたことが現実になる。
かおりさん達のプレイをビデオで見ながら、羨ましく思っていたこと。
男達に蹂躙された後に、夫に抱いてもらえる。
不条理なことだが、最高に癒される筈だと私は思った。
離れ離れになった魂が戻るように。
ひとつになった実感を分かち合うことができるのだ。
「当然・・・」
再び低い声が続く。
「四回目のフィニッシュを、熱いザーメンを、
愛する妻に放出するのです」
説明を終えると、満足そうに残ったコーヒーを飲みほしている。
「よ、四人かぁ・・・」
秋生さんが戸惑った様子で呟いた。
「なぁに・・・アキちゃん、自信ないのぉ?」
そらさんが夫の顔を覗き込みながら、笑っている。
「ち、違ぇよ・・・」
大声で否定するが、続いた言葉は強がっているようにも聞こえる。